カーブ箇所のがいし2連ならず その1
(現存せず。高圧用腕金が単一腕金に更新された。)
前項では、クランプがいしと高圧用腕金を2つずつ取り付けた「がいし2連」を紹介してきたが
実はこれとは別に、高圧用腕金は2本あるのに対して、クランプがいしは片方の高圧用腕金にしかないという「がいし2連ならず」というものもある。
これについては、元々は10号中実がいし2連による引き通しだった箇所をクランプがいしに交換してそうなったのかと思われる。
10号中実がいしで高圧絶縁電線を固定した頃は、唯単に電線と10号中実がいしをバインド線で固定していただけだったから
カーブを振る場合は、高圧絶縁電線がその10号中実がいしから外れてしまわないか懸念があったのだろう。
それて当時はがいしを2連にする必要があったようだ。
(これについては、高圧ピンがいし、耐塩高圧ピンがいし、耐塩皿がいし時代も同様である。)
カーブ箇所などで絶縁電線に張力が加わる場合は、10号中実がいしと高圧用腕金を2つずつ取り付けて補強していた。
だが、クランプがいしが登場してからは、電線をバインド線でするのではなく絶縁電線の被覆を剥いで、裸電線を直接クランプで固定するから、がいしは特に2連にする必要性はなくなった。
それで高圧用腕金は2本あるのに対して、がいしは片方の腕金にしかないという中途半端な設備もあったのかと思われた。
また、高圧用腕金も使っていない1本があるのだからそれも取り外せばいいと思うが、それは多少の手間がかかるのか
高圧用腕金を一新しない限りは、例え片方は使っていないとしても残す例があるようだ。
ここからはそういったものを紹介していこう。
まずこちら、足立区加賀の五色桜通り沿いで撮影した。
ここでは配電線が結構な角度でカーブしているためか、以前は10号中実がいしを2つずつ配置させたものが並んでいたようである。
だが現状は、クランプがいしは高圧用腕金は2本あるのに対して、片方の高圧用腕金にしか取り付けられていない。
それから高圧用腕金の向きについてだが、ここでは通常の車道側を向いているのではなく建物側を向いているものが連続していた。
これも古いタイプの象徴である!
配電線というのは、普通は車道側へ向けて施設されるのが普通であるが、昔はカーブを振りやすくするために、あえて建物側へ向けて高圧を施設することもあった。
ここもその一例だ。
しかし今は3階立て以上の建物が増えている影響か、今はそのようなことはせず、建物からできる限り高圧を引き離すことに尽力しているようだ。
ここでは高圧を建物側へ向けた旧式の構成が連続していた。
なお、柱上変圧器に関しては、建物側へ向けてしまうと干渉してしまうので、それだけは車道側に向けて取り付けられていた。
カーブはややきついためか、車道側には水平支線も張られていた。
昔はスペースがある場合は、建物側へ支柱を備え付けることもあったようだが、ここは無理であるから水平支線を張ることにしたようだ。
続いてこちらは次のものであるが、こちらも元は10号中実がいしは2つずつあったようだ。
だが、クランプがいし交換後はがいしはやはり2つずつ取り付ける必要性はなくなったようで、今は片方の腕金にしかクランプがいしがない。
なおこちらは先ほどとは違い、クランプがいしは反対側の高圧用腕金に取り付けられていた。
逆光だが、反対側はこんな感じとなった。
この感じだと電線の長さの節約をするために、高圧を建物側へ向けていたかのようにも見える。
しかし今は裕福?高圧絶縁電線は建物側へ向ける例はそうない。

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