キストラップを紹介!
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東京都杉並区下井草地区にて、細く古びた銅線となった高圧配電線を支持する古いタイプを撮影していたところ、あることに気が付きました。
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それがこちら!
架空地線の支持に腕金を使っている古い基本タイプとなりますが、高圧用腕金を支えるアームタイとコン柱が固定されている部分に注目!
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高圧用腕金を支えているアームタイと重なるようにして
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左上方向へ何かがにょろっと出ているのが確認できます。
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次にある1台のトランスが乗っかっているこちらの古いタイプも!
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高圧用腕金を支えているアームタイとコン柱の固定部分に何かが確認できます!
これは一体何なのかといいますと、通常は低圧引き留めがいしを固定する部分で見かけるストラップです!
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ところがここでの用途は少し異なるようで、以前は何かの支持をしていたのだろうか?撤去されずに今も錆ながら残っています。(アームタイとコン柱との固定部に重なって取り付けられているため、外せずに残ったのだろう。)
この用途で使われているストラップをキストラップというようです。
(なお、通常のストラップは引き留めがいしを上下で固定する役目として2枚使っています。古くは、高圧引き留めがいしを固定することもあった。高圧引き留めがいしの場合は大ストラップ、低圧の場合は中ストラップか小ストラップと使い分けがなされていたようだ。)
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同区の荻久保地区では現役のものを発見!
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同区では他にその現役タイプを確認することができました。
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写真の通り、昔は高圧用腕金を支えるアームタイとコン柱の固定部にキストラップを追加し
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下方ではそれと重ねて低圧用腕金(動力)とを固定していたようだ。
文献は、「[改訂版] 送電・配電 2001年8月20日2版発行」を参考にしてみると、このような図面が確認された。
(この文献の初版は1986年!当時はまだクランプがいしへの交換真っ最中なはずなので、内陸ではまだピンがいしによる引き通しが多数確認できたと思われる時代だ。)
丁度、配電線路の建設の節というところに当時の装柱の図面があり、高圧用腕金を支えるアームタイと低圧(動力用腕金)の腕金の上方に向かってキストラップが伸びていた。
2つは重なって、鉄筋コンクリート柱に固定されている。
ところが、文献によっては動力用腕金から下方に向かってキストラップが出て、コン柱と固定している図面も見かけた。
(こちらは(旧)中部電気協会が出版されている文献で見かけたので、現在の中部電力管内の装柱に当たると思われる。)
ということで、上記写真の構成は東京電力管内のみということでいいだろう。
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建柱年は昭和48年(1973年)
高圧用のアームタイと動力用腕金とをコン柱部分で重ねて固定している古いキストラップは文献からもお分かり頂ける通り、大体1970年代〜1980年代頃に普及していたということでいいものかと思われる。
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中にはアームタイとは固定はせず、下方に向けてコン柱と固定するだけのものもあったようだ。
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それをすぐ近くにある振り分け引き留めで確認することができた!
(錆の色具合から、こちらも1970年代頃のものでいいかと思われる。)
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上方に向けて固定するタイプが大半だったようだが、中にはこうして下方に向けてキストラップで固定しているものも確認された。
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最後にある引き留め柱も
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終端にある引き留め柱ですが
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こちらもよく見てみますとやはり、キストラップを使って高圧用のアームタイと動力用の腕金を固定しているのがわかります。
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