昔の短い1500mmの高圧用腕金に合わせた古い変台
(現存せず。)
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昔の高圧用腕金の長さは1500mmが基本であって、変圧器を設置する変台に関しても、それに合わせるかの如く、長さ1500mmのものが使われていた。
今回はそんな旧式を東京都台東区の国道4号(日光街道)沿いで発見した。
場所は、東京メトロ日比谷線の入谷駅から北へ300メーター程北へ行った付近だった。
(※この付近の無電柱化については、大分前に行われたように見られるが、何等かの理由で無電柱化できない理由があるのか
まだ何本か長いこと、所々で残っている箇所があったが、2020年になって、ようやく無電柱化されたようだ。
古い変台に関しては、2015年頃まで現存していたようだ。)
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ここは、高圧用腕金に関しては、何度か設備更新を行ったようで新しくなっているが
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上下にある変圧器への高圧引き下げ線を支持するトンボ腕金と変台は、昭和42年頃の国道4号の道幅拡張工事時に施設した当時物のようで、錆びが凄まじい。
横付けされたトンボ腕金も今は少し長いものが使われているが、どうやら昔はそれもかなり短くなっていたようで多少違和感がある。
この腕金の長さに関しては、1500mmよりも短いものかと思われる。
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次いで下にある変圧器を載せた変台はこんな感じ。
木造家屋が多かった昔は、変圧器の容量も小容量のものが多く、長さ1500mmの変台であっても特に問題はなかったが
最近ではマンションなどが増えて、変圧器の容量も増量している。
今はそこには、割に合わない増量仕様の大型の容量50kVAの変圧器が載っている。
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次いでこの変台は、昔の短い高圧用腕金の長さに合わせているから、変圧器への高圧引き下げ線も大きく傾斜のあるものとなっている。
これまた割に合わない構図である。
今は建物から高圧配電線を離隔させることが相当意識されているから、更新後の高圧用腕金に関しては、長い離隔腕金が基本となっている。
同通り沿いも、高圧用腕金取り換え後はこの腕金が目立つ。
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↑これはあくまでイメージだが、紙で簡単に再現してみた。
恐らくこの配電線の施設当時は、こんな形だったのではないだろうか
ここは台東区であるから、高圧配電線の引き通しは耐塩皿がいしであったことがうかがえた。
なお、変圧器への高圧引き下げ線を支持している4つの高圧ピンがいしについては、耐塩皿は追加しない。
(※文京区や台東区など、ビルの多い地域では、今でも普通の高圧ピンがいしを使用する傾向にある。
ケーブルヘッドから高圧を立ち上げたり引き下げたりする電線の支持や変圧器への高圧引き下げ線支持用などに限る。)
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変圧器への高圧引き下げ線を支持している高圧ピンがいしの製造年だが、どうやらこれも当時物のようで
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製造年は1966年(昭和41年) or 1968年(昭和43年)のいずれかと思われる。。
ちなみにここから10キロ程南へ進んだところにある国道4号草加バイパスは、昭和42年(1967年)に開通したようであるから、1966年(昭和41年)製に思える。
この付近もマイカーブームの渋滞解消に合わせて、昭和42年(1967年)頃に道路の拡張工事があったことが考えられる。
この配電線は、恐らくその時に再整備されたものなのだろう。
高圧ピンがいしの製造会社であるが、ここではJISマーク付きで那須電機鉄工製であるのがうかがえた。
昔の高圧ピンがいし(6600V仕様)は、JISマーク付きも普及していた。
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続いてここでは、変圧器2次側から吹き出している接地側電線を支持している青色の低圧ピンがいしも確認できた。
しかし今は、それは何故か取り外されていた。
変圧器の取り換え時に取り外したように見られた。
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