がいしの配列3:0(やり出し)の種類(東京電力の電柱編)

続いて、クランプがいしを3:0に配列したタイプを紹介する。
このものについては、建物や木々から電線を離隔させたい箇所で適用されている。
専門的にはこれを槍出装柱といい、すべての電線を片側へ槍出(やり出し)させて支持しているのが特徴である。
昔はどちらかというと、がいしの配列は2:1が基本だったのだが、近年では道の端すれすれに家やマンションを建てることが増加傾向にあるからか、がいしの配列3:0はそれなりに多く増えている。
(特に最近はこれに置き換わって、長い離隔腕金やD型腕金を使ったものが増加している。)
なお、高圧用腕金の取り付け向きについては、前ページで紹介しているがいしの配列2:1と同様に負荷側向き(配電線の終点側向き)で取り付けるものが古いもので存在している。
また、高圧用腕金の横幅長については、がいしの配列3:0に関しても1500mmの短いものも実在していたようであるが、今はほとんど見かけることはない。
これについては、耐塩皿がいし時代に東京の下町の狭い路地に多くあったようである。
数は僅少ではあるが、比較的最近新設されたものであれば、千葉県や山梨県で確認している。

<がいしの配列3:0の種類・3本の配電線版(三相交流3線式版)>

<腕金の横幅長さが古い1500mmタイプで>

がいし配列3:0
腕金が短い古いタイプで
(単一腕金)

新しいもので確認したもの
撮影地:千葉県八千代市大和田新田

古いもので確認したもの
錆びが凄いことから、元々は古いものであったことがわかる。
撮影地:東京都江東区大島
がいしの配列3:0で横幅長1500mmの短いサイズの腕金を使った例になる。
元々は古いものとして普及していたものだったが、千葉と山梨ではかなりの稀で新設を見かけた。
通常サイズの1800mmとの見分け方は、アームタイの取り付け位置やがいしの間隔である程度分かる。
古いものについては、東京都荒川区や江東区の他、神奈川県川崎市の方でも見つけていたが、後者については撮影はできずに終了している。

<腕金の横幅長さ1800mmタイプで>

がいし配列3:0
(単一腕金)
がいし配列3:0でがいし2連版!
(抱腕金)
がいし配列3:0でがいし2連ならず
(抱腕金)
がいしどうしの間隔 小のもので
限流ホーンが既設のものに後付けされたもので
がいしどうしとの間隔が一番狭いタイプは
細い路地を通る小容量の配電線引き通し箇所で見かけることが多い。
後は建物から思いっきり配電線を離隔させたい箇所で採用されることが大半である。
アームタイに古いアングル(1800mm仕様を支えるものでは古い)が使われていることから
古いタイプであることがうかがえる。角度を結構振っているので
普通の丸型アームタイを使うよりアングルで補強したのだろう。
がいし配列3:0のタイプについても、腕金は2本あるのに
がいしは2連になっていない10号中実がいし2連時代の名残タイプがある。
がいしどうしの間隔 中のもので
間隔が小のものより若干広がったものが間隔中になる。 がいしどうしの間隔が中のものでがいし2連 避雷器付きで、がいしどうしの間隔が中のもので、がいし2連ならず。
片側の腕金に変流器内臓がいしが取り付けられている場合も稀にある。
がいしどうしの間隔 大のもので
元々がいしの配列3:0は、建物から配電線を離隔させる目的で使われるものだからか
がいしどうしとの間隔が大のものはあまり数がない。
古いものでたまに見かけることがほとんどである。
写真のものは高圧用腕金が車道に対して右向きとなった旧タイプとなる。
そのタイプでがいし2連はあまりない。
古いものとして残っていることも稀
こういったものは神奈川県や千葉県の柏市などに多かった。
間隔大で10号中実がいし2連時代の名残があるがいし2連ならずは、数少ない。
2007年頃から登場した、新規格の配列!
がいしどうしの間隔は大だが、車道側に少し空間がある。
従来まで取り付けられていたL型金具を省略し、少しでもコスト削減するのが目的のものかと思われる。

<がいしの配列3:0の種類・2本の配電線版(単相交流2線式版)>

<腕金の横幅長さ1800mmタイプで>

がいしどうしの間隔 小・単相交流2線式版で!
撮影ならず
がいしどうしの間隔 中・単相交流2線式版で!
撮影ならず
がいしどうしの間隔 大・単相交流2線式版で!
撮影ならず
その他・右詰など

<がいしの配列3:0の種類・3本の配電線版(三相交流3線式版)>

<腕金の横幅長さ1800mm超!>

がいしどうしの間隔 小
アームタイにアングルを使用
腕金の長さ1800mmを超えるロングサイズでは、未だアームタイにアングルを使うことがあるようだ。
そのタイプでこちらはがいし2連!アームタイに腕金を使用!
がいしどうしの間隔 中
上段のもので腕金の長さ1800mm超えで、がいしどうしの間隔が中になったタイプになる。
アームタイにはアングルを使用
同様のものでがいし2連タイプ
アームタイには腕金を使っている。多摩地域に多い。
<<例外>>
アームタイが長いものでがいし2連ならず
がいしどうしの間隔 小
がいし2連が全くない埼玉県内で発見!
元々は10号中実がいし2連だったと推測。クランプがいしへ交換後、がいしは片側の腕金のみにした模様
アームタイが極端に長く、ここまで長いものは初めて見かけた。
<<例外>>
腕金が長いものでがいしどうしの間隔が極小!
ここまで間隔が狭いものは初めて見かけた。静岡県内に稀にあるようだ。
それにしても、これは見た目がちょっと

<がいしの配列3:0で、開閉器付きのタイプを一部紹介!>

がいしの配列3:0で開閉器付きの例
がいしどうしとの間隔 中
腕金の長さ1800mm
CVTケーブル仕様の高圧引き込み線を分岐するもので、がいしどうしとの間隔が中になったもので開閉器付き。
がいしの配列3:0で開閉器付きの例
がいしどうしとの間隔 大
腕金の長さ1800mm
がいしの配列3:0で開閉器を取り付ける場合は、2:1の配列のように、がいしを不均等にさせることはないようだ。
写真のものは元は10号中実がいし2連だったもので開閉器付きのものとなるから、腕金が1本無駄に多い。

<その他・不均等配列を一部紹介!>

がいしどうしとの間隔 中のもので不均等配列
腕金の長さ1800mm
新規格で不均等配列
腕金の長さ1800mm
左端に空間が少しある新規格の配列で不均等配列
恐らく電柱更新時に電線の間が大きく広がっている部分に古い電柱があり、通常配列に整えずそのままなのだろう。
がいしどうしとの間隔 小
腕金の長さ1800mm超で不均等配列
腕金の長さ1800mm越えたもので不均等かつ中央配列

<がいし型変流器で3:0配列>

がいし型変流器自体、大きめのため、がいしどうしの間隔は、大と中のタイプしかないみたいだ。

がいし型変流器で3:0配列
がいしどうしの間隔は中
がいし型変流器3:0の配列
がいしどうしの間隔は大
以前は恐らく10号中実がいし2連による引き通しだった箇所なのだろう。
以前は10号中実がいし2連だったようで、がいしの取り換え後に、このがいしを新たに取り付けた模様
取り付け後は腕金は引き続き2連となったようだが、もう片方の腕金にあったはずの中実がいしは撤去されたようだ。
がいし型変流器で3:0配列
(腕金の伸ばした先に取り付け!)

がいし型変流器を取り付ける場合は、腕金を伸ばして支持する方式もある。

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