ミニ講座その2

支持物に取り付けられているプレートの種類

電柱を少し見上げるとこんなプレートが2つあると思うが、それぞれ意味があって釘打ちされているのである。

まずは、東京電力管内にある神奈川県横浜市内のあるプレートを例に挙げてみよう。
(地方や場所によっては色が違う場合あり。)
ここでは、上がNTTが管轄する電話線や光ファイバー類の支線名称を示すプレートで、下にあるのが東京電力が管理している各電柱番号を示すプレートとなっている。
このプレートに書かれている地名は、基本はその電柱が建てられている地区名を示すことが多いが、時には、旧市町村名になっていることもあるようだ。
プレートの色にもそれぞれ種類があり、東電管内の場合は、白、シルバー、グレーなどがある。
それからプレートには、電柱を建てた年と電柱の高さのメーター数が印字されていることもあるようだが、近年、グレーから白のプレートに打ち替えられている場合に関しては、ほとんどそこまでの印字はないことが多い。(特に神奈川県内)
しかし、地域によっては建柱年とメーター数が書かれたものがあり、特にこれは東京都内に多い。
(都内もそこまでの印字はない地域もある。)
以下ではその内の1つを紹介しよう。

江戸川区だけは特有で、テプコマークのある専用のプレートがある。
この専用プレートには、建柱年、メータ数の印字がしっかりとされているから、何時建てられたものなのかを一瞬で確認することができる。
上記写真の意味は、逆井地区(旧村名)にある129号電柱、電柱が建てられた建柱年は、1966年(同区の白色プレートは全て西暦表示となっている。)、電柱の高さは14メーターといった感じである。
続いて次に、東京都中野区と杉並区で撮影したプレートを紹介する。
こちらの2区にあるプレートに関しては、テプコマークの表記まではないようだが、番号とメーター数、建柱年月の印字はしっかりとある。

建柱年数字の右に釘が来ていればそれは西暦表示ということになる。

なお、杉並区のものについては、西暦表示とのものと年号表示のプレートが混在しているようであるから、そこは注意願いたい。
上記写真の場合は、1966年9月に建柱、高さは14メーターといったところだ。
ここでポイント、上記写真のように、数字の右側に釘打ちされた釘が来ていれば、それは西暦表示。
釘ではなく、「.」があれば、それは年号表示となる。
そのうち下記写真は、年号表示のプレートとなる例だ。

ドット表記は年号表示

上記写真の意味は、昭和41年(1966年)1月に建柱、高さは14メーターといったところだ。
ちなみにこの2区では、古いプレート(白)が劣化し、破損したところもあったようで、グレーのプレートに貼り換えられているところもあった。
その場合は、建柱年やメーター数の表示はないこともある。

古い白色のプレートの代わりがなかったようで、やむなくグレーのプレートに貼り換えられた中野区の電柱
建柱年の表示はない。

こうしてプレートもまた地域ごとに違いがある場合もある。

また、電柱の建て替え(移設)を行っても、古いプレートをそのまま建て替え後(移設)の電柱に流用していることも稀にあるから、それまた注意願いたい。
その見分けに関しては、大体電柱の色合いで判断できる。
古いものは大抵、茶色に染まっている。元々は白色ですから・・・
それからプレートに記載のある文字に関しては、古くからそのままの状態で残しているものや、今現在、また少し普及しつつある、シルバーやグレーのプレートの場合は、手書きで書かれていることもある。
そういった手書きの場合は、建柱年、メーター数までが詳しく書かれていることが多い。
下記写真は、神奈川県海老名市にあった1例で、古くからグレーのプレートを使い続けている地区の写真となっている。

グレーのプレートの場合、古くから使い続けている地域では建柱年の印字がそのまま残っていることもある。

この場合は、建柱年は、年号表記で書かれていることが多いが、場所によっては西暦表示のところもあるようだから、そこはまた数字で判断する必要がある。
上の意味は、昭和41年(1966年)8月建柱、高さは12メーターという意味合いになる。

<プレートの更新はされているが、建柱年は正式なものではなく、プレートを打ち替えた年月日が書き込まれていて間違っている例>

ここで、プレートは最近打ち換えられたようだが、建柱年が正式なものになっていない間違っている1例を紹介しよう。

上記写真の電柱は、どうみても茶色に染まっており、古いことが一目瞭然だが、建柱年は平成27年11月と、比較的最近の年数が表記されていた。
偶にこうした間違ったものもあるから、そこは注意願いたい。
それからここでは、プレートには謎の「K」の文字も見られた。
これは打ち替えた年数であることを表している暗号なのだろうか

<プレートの取り付け順序にも意味があった!>

ここでは電柱の所有者の見分け方を紹介しよう。
プレートの取り付け順序次第で、その電柱の所有社がわかる。
一見、「これは背の高い電柱で電力会社の配電線が架かった電柱だ。だから電力会社の電柱なのだろう。」と思いがちだが
中には、電力会社の配電線が架かった電柱であっても、NTTが所有している、ということもあるようだ。
冒頭でも少し触れたが、これについては特に、国道などの幹線道路や道幅の広い道路で、両側に電柱を建てる場合に多い。
電柱の所有社に違いがあるのは、明らかに電力会社の配電線のこう長が長く、独占してしまっているからだと思われる。
この独占を防ぐために、例え電力会社の配電線が架かった電柱であっても、NTTが所有している電柱があるのかと思われる。

例えばこちらの住宅街にある右手前の東京電力管内の電柱↑、どこの所有社であるのか、あっしが当てて差し上げよう。(笑)

この電柱は、プレートの取り付け順序を見ると、上部にNTTのプレート、その下に東京電力の電柱の振り分け番号のあるプレートがある。
東京電力管内の場合は、地面に近い方にあるプレートがその電柱の所有社を示しているから、これは、東京電力が所有の電柱ということになる。
ちなみに関西電力管内では、1番上にあるプレートが、その電柱の所有社になる。
これまた電力会社ごとに違いがあるようだ。

続いてこちらの千葉県の水戸街道(国道6号)沿いで撮影した電柱、どこの所有者であるのかを当てて差し上げよう。
(写真の電柱は、無電柱化のため現存していない。)
両側に電柱がある場合は

片側は、NTTの所有である例が多い。
ここでは、上部にあるグレーの方が東京電力の電柱番号札のプレートとなっている。

その他のプレートの意味

実は電柱には後もう1つ、他の意味合いで固定されているプレートがある。
それがこれだ。

近くの住宅に太陽光パネルなどの発電設備があって、そこで余った電力を、電力会社側に売電している住宅がある場合はこういったプレートもある。
電力会社側の電柱から見れば、住宅から売電された電気を引き込んでいることの意味合いになるだろうから、下部には「発電設備連系引き込み柱」との表記が確認できる。
そして、その住宅側の発電設備と、柱上に乗っかっている変圧器とが連系しているから、連系の文字も見られる。
ここで連系についての詳細を説明しよう。
太陽光パネルや風力発電等、適した条件になれば電力を売電できる余裕もあるだろう。
しかし、天候に左右されやすい再生可能エネルギーによる自家発電の場合は、当然、賄えない不足分の電力が発生することもある。
その不足分は、電力会社側から電力を買う。
詳しく言えば、自家発電で余裕が出てきて売電するなり、もしくは電力会社側の配電線からも電気を買うなどすることもあるから、2つの系統が発生!
この2つを連系しているから、系統連系と言っているようだ。

他に、「逆潮流あり」との表示も見かけるが、これについても近くに自家発電で電力会社側へ売電できる住宅があり、電力会社側から買って消費している電力量よりも自家発電の電力量がオーバーした場合
当然ながら、電力会社側の配電線に逆流することがある。
その可能性がある電柱については「逆潮流あり」のプレートも追加されているようだ。

おまけ・古いプレート等

おや、この電柱には、昭和40年代の昔のtepcoマークと共に、他では見慣れない→常時開放←と赤く記されたプレートが・・・

これは、柱上にある開閉器(電柱上の四角箱)のスイッチが常時オフであることを表している。
電気の流れとしては、写真に記した通り、2方向から電気が来ているということになるが

開閉器の引き紐については、白い切の方が下がっているから、この開閉器のスイッチは、常時オフということになっている。
何故、高圧配電線路の途中にスイッチが切られた開閉器があるのか、その理由は以下で紹介しよう。

2方向からの電気の流れとしては、こちらの電柱を境に、繋がっていないということになっている。
しかしなんらかの影響で、片側の高圧配電線が、落雷などの事故により稼働できなくなったとしよう。
そうすると、どこか生きている高圧配電線路から電源を受け取れるよう連絡口を設ける必要がある。
その備えとしてあるのがこのスイッチの切られた開閉器だ。
この開閉器を使うことで、生きている電源から、停電している区域へ、逆送で電気を送ることができるのだ。
スイッチを入れることで、停電している範囲へ、逆送する。
なお、その用途の開閉器を取り付けた電柱には、必ず常時開放のプレートがある。(旧式設備に限る。最近のはない。)
ちなみに他の電力会社では、そこまでのプレートは、ない例が多い。
お隣の中部電力管内では、地域によってあるという感じである。

他にはこういうものも!
こちらは未だに民営化前の昔懐かし、ダイヤル式4号黒電話でも数多く目にしてきた、電電公社時代のエンブレムが描かれたプレートである。
神奈川県綾瀬市小園南地区、隣接する早川地区の住宅街では、これでもかというほど!1本、1本の電柱に大量に残っていた。

そして、偶然にもネットで売られてたもので、入手したものもある。
7000円もしたのだった。(笑)

↑この懐かしいマークについては、再整備された4号黒電話の正面でよく見かけた。

余談:4号黒電話については、昭和25年から昭和40年代頃まで、数多く普及していたものになる。
ちなみにサザエさんに出てくる黒電話は600型黒電話である
なお、昔の特撮やお笑い番組では、例え後期型の600型黒電話が登場したとしても、電話の呼び出しベル音については、600型電話機ではなく4号電話機のベル音が、相当数収録されていることもある。
この話はどうでもいい(笑)

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