ノップがいし
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ノップがいしの使用例
昔はよく民家の配線用として使われていた。
なお、家屋の壁を貫通させる場合は、当ページ、最後の項目で紹介のがい管が使われる。
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これは、屋内の天井下に沿って、単相2線式100Vの電灯線の配線をする際によく使われていた。
昭和30年頃までの昔の木造家屋内での電灯線の配線は、天井や軒下などで電線を隠さずに露出させていたことが多かったので、天井にノップがいしを取り付けて配線されている光景を見ることが多かった。
特にこれに関しては、水気の多い場所、土間や軒下などでの配線で使われていたようである。
がいし引き工事という工法では、よく使われたがいしだったのだそうだ。
なお、私はこれでも一応、内線工事の講習も受けたことがあり、その講習で使っていた参考書にも、丁度、がいし引き工事に関する記述があったが
平成も終わろうとする時に教わった、当時の担当講師によれば、「もうこのがいし引き工事は使わないから、飛ばしていいよ」と言っていたぐらいである。
しかし昔は、電線をあえて屋内で露出させることで、保守が行き届きやすかったり、故障点にすぐ気が付けたりするので、よいメリットもあったそうな。
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↑そしてこちらは珍しい。なんと、ガラスのノップがいしである。
ノップがいしについては、釘や木ねじなどをノップがいし中心点の穴の開いてある箇所にねじ込んで木材に固定するが、これについては、木ねじも最初から固定されていたのだった。
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特カップがいし
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ボルト形状が、曲がりねじ込み仕様となったものもあり。
少し形状が違うものも。
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特カップがいしについては、2種類見かけている。
これも屋内での配線で使われていたようだ。
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転倒がいし
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これは屋内の天井から逆さにして電線を支持できることから、転倒がいしと呼ばれている。
背面に付属の木ねじで、ねじ込み固定ができたのだった。
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分割がいし その1
(製造メーカーによっては、DV線用がいしとの記載も)
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軒下での使用例
実物
写真のものは香蘭社製
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このがいしもノップがいし同様、屋根下で引き込んだ後の低圧DV線を支持する役目などで使われていたが、近年ではほぼ廃止に近い状態で、古い長屋の物件などでしか見ることができなくなっている。
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分割がいし その2
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写真のものは、那須電機鉄工製
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製造メーカーの当時のカタログを見ると、引き留めがいしということで記載があったが、分割がいしと同様の大きな穴が確認できることから、一応これも分割がいしの1種だろうと思われる。
なお、入手品の色は青色であるから、100Vの単相2線式の低圧引き込み線の接地側電線の支持で使われていたようにみられる。
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クリート(円盤仕様)
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これは、造営材に取り付けた配線を上下で挟むようにして使われる。電線を入れられる溝があるのが特徴である。
クリートに関しては、細長いものが主流であった。
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安全器・カットアウト
(両側にある白い筒のようなものは、低圧用のがい管)
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これは昔、ブレーカーのそばに設置されていた安全のためのスイッチのようなものである。
カットアウトスイッチとも呼ばれ、小さな電灯需要家の引き込み開閉器として使用していた。
1回路1つで使われるので、屋内にある全ての照明や家電製品が接続されるコンセントのスイッチを一括で切れる構造となっていた。
もし、屋内の家電製品から出火などがあった場合、すぐにこの安全器を開くことで、その家電製品を電力線から切り離すことができた。
また、安全器の中には、ヒューズも取り付けられており、これが丁度、大きい電流が通った時のみヒューズを溶断させるので、どこかの家電製品で故障があって大きな電流が流れた場合でも電力線から切り離す(遮断)こともできた。
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おまけ
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これまた安全器とセットで使われていたものだった。
アンペア数ごとに色も変わっていたようである。
なお、黄色のものについては、昔のテレビドラマ(ありがとう 第1シリーズ)で確認している。
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