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最近の配電設備の行方
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題名の如く、ここでは最近になって配電線の電柱上で見かけることが多くなってきた新種を紹介していく。
最新設備をいち早く紹介!
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こちらは銀ピカの最新設備
最近では、高圧耐張がいしの連結部分のカバーは省略されている。
ちなみに高圧耐張がいしが登場した昭和35年(1960年)は、連結部と高圧配電線の引き留めクランプを含めて、当初は黒いカバーがないものが基本であった。
上記写真は正しく、銅線を使用した高圧配電線の両引き留めで引き留めクランプと連結部分のカバーがない当初のものとなっている。
特にこれはアルミ線が登場してからは、ほぼ確実にカバーが被せられるようになった。
別にカバーはなくても、高圧耐張がいしの連結部分が錆びる懸念ぐらいだろう。
さらに最近では、夏場に雷(ゲリラ雷雨)が多発する地域では、雷害対策として、限流素子(酸化亜鉛系のもの)を内臓した限流ホーンをクランプがいしのそばに取り付けたものも見かけるようになった。
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限流ホーン
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この限流ホーン、通常は絶縁体のようだが、雷による異常電流が流れた時のみ導体となり、高圧配電線の断線を防ぐのだそうだ。
限流ホーンの新設を一番初めに見かけたのは、2012年9月頃からである。
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3種類あり。
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続いて限流ホーンの種類についてだが、これはギザギザでないものとギザギザ(4つ溝、3つ溝)であるものの3種類があるようだ。
この中で特に見かけるのがギザギザしていない写真左側のものだ。
取り付け位置については、必ずクランプがいしのそばと決まっており、高圧配電線の引き通し箇所他、終端である引き留め箇所でも取り付けるようである。
なお、3本全て(全相)の高圧配電線に取り付けるのではなく、両端に取り付けるのが基本のようある。
(神奈川では、隣り合わせで取り付けているものを確認している。)
分布については、やはり夏場に雷の多い栃木や群馬で多数見かけており、そこでは既設設備に多数取り付けているのを目にしている。
埼玉や東京では普及数は極めて少なく、また限流ホーンを取り付けるために、わざわざ配電柱ごと更新を行っている箇所も見かけている。(2013年時点)
詳細を言うと、住宅街では大量に見ることが少ないが、畑道や田んぼなど周辺に特に高い建物がない場所では、ほぼ全ての柱にそれを取り付けているという感じである。
<追記>
東京都23区東側では足立区、その他、府中市や立川市でも限流ホーンの取り付けが確認されたが数は栃木や群馬程ではない。(2014年4月現在)
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限流ホーン設置要領 その1
高圧配電線の引き留め箇所では、終端の先の両側にクランプがいしを取り付け、そのそばに限流ホーンを取り付ける。
限流ホーン設置要領 その2
高圧配電線の両引き留め箇所では、両側のジャンパー線支持のみ限流ホーン付きのクランプがいしになっていて、真ん中は限流ホーンなしの10号中実がいしの構成となっている。
いずれとも従来の構成とは少し異なる。
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限流ホーンを取り付ける場合、架空地線は張らず腕金やアームタイなどを取り付け!
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限流ホーンを取り付ける場合、従来行っていた架空地線(避雷線)の施設についてはほとんど行わず、今後は架空地線は張らずに避雷針代わりとして配電柱の頂上に腕金やアームタイを取り付けるものが増えるようだ。
その設置要領も限流ホーンとセットであるという感じだ。
(その際、腕金やアームタイは避雷線の役目を果たすから、もちろん赤い線で接地されている
しかしアームタイの取り付けについては驚いた。
アームタイというのは、通常は高圧用腕金の傾き防止として使われるものだが、今後はどうやら避雷針として使うこともあるようだ。
それについてはもう今後は確実に、架空地線は張らないことになるのだろう。
配電柱への雷撃防止用として取り付けられている長さ1500mmの1本の腕金
この腕金については旧来も架空地線支持用として大いに活躍していた。
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避雷針そのものも
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そしてついには、アームタイの取り付けも確認
山梨ではついに、避雷針代わりとしてアームタイを取り付けたようなタイプが新たに出現!!
今後は腕金の取り付ける他にこういったものも増えるようだ。
↑小型サイズのDアームを使った終端でも
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おまけ
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ここからは、それ以前に登場した最新設備を紹介
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高圧配電線の分岐に関しては、昔は配電柱から直接分岐するのが基本であったが
近年、東京電力管内では、人家の敷地内にはなるべく高圧配電線を張らないようにしているため、空中分岐が増えている。
これについては他に、高い建物や家が増えたことも影響しているかと思われる。
他には一時期、景気のよかったバブル期に、高価なCVTケーブルを使った分岐も普及していたが、今はそれはラインスペーサ―を使った分岐に置き換えられた箇所もある。
↑こちらは、単相交流2線式分のスペースしかない空中分岐である。
なお、最近では、低圧配電線も空中分岐することがあるようである。
ここでは低圧電灯線の空中分岐を行っており、低圧ピンがいしも空中のワイヤーによって支えられているのがわかる。
空中分岐の他には、ラインスペーサーを使って、隣接の配電柱まで高圧配電線を張ることもある。
過去にはその分岐箇所のみでわざわざCVTケーブルを使うこともあったが、近年では、そのCVTケーブルも寿命を迎えているためか
高圧配電線にラインスペーサーを取り付けての分岐に更新されている箇所もそれなりに見かける。
なお、そうしたものについては、いずれとも人家の敷地内に高圧配電線を横断させたくない場合によく適用されている。
ここでは高圧配電線にラインスペーサーに取り付けて、人家の敷地内に高圧配電線を横断させずに、うまく振り分けている例となる。
なお、高圧用上部の形状については、右側は特大サイズのDアームで、左側は通常仕様の水平腕金となっている。
配電柱の避雷針の役割を担うものとしては、ここでは腕金ではなくアームタイを頂上に取り付けている。
そのうち以下は
ラインスペーサーを取り付けた高圧を支えている大型サイズのDアームを取り付けた方である。
ここでは、ジャンパー線支持に限流ホーンを備え付けたクランプがいしと10号中実がいしが混ざっている。
ちなみに旧来、このように配電柱から高圧配電線類を引き離す場合は
腕金を1本、1本現場で組み立てて、腕金をFアーム(初代のFアーム)に形成させたものによって配電線類を離隔させていたが、近年では離隔腕金や特大サイズのD型腕金を使うことで離隔は一発解決なようである。
(これも丸みを帯びたアームを作ることが可能となった技術革命の1つかw)
続いてこちらは、そのラインスペーサ―を取り付けた高圧の受け側である。
↑高圧引き込み用の区分開閉器を取り付けたこちらの装柱は、上下に変圧器への高圧引き下げ線を支持する長い腕金が目立つ。
本来なら高圧用腕金に変圧器への引き下げ線支持の耐塩高圧ピンがいしや普通の高圧ピンがいしを取り付けることになるかと思うが
ここは区分開閉器があって、それと干渉してしまうため、長い2メーター仕様の腕金を取り付けたようだ。
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<配電柱の避雷対策としてアームタイを使用した新種>
このものは2014年より登場、山梨寄りの地域で初発見していたものだったが、その後は他の地域でも見かけるようになった。
<<天切りがなくなった高圧ピンがいし!>>
従来までは、高圧ピンがいしの上部の電線支持点に溝(これを天切りという)が掘ってあったが!
近年ではどうやら横配列の電線(主に変圧器への高圧引き下げ線や高圧線の立ち上がり箇所)の支持でしか使われることがなくなったためか
最近では天切りのない高圧ピンがいしも登場している。
ここではそれを見てゆく。
<新たな力率調整装置>
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この装置は、配電線の力率を調節するために設置される。
具体的には、昼間と夜間では電力の使用量が違うことが絡んでいる。
昼間は電力需要家(高圧需要家)内にあるコンデンサーが力率をいいように調節してくれるが
それが丁度、電力の使用が少ない夜間でも力率を改善しすぎてしまい、電力会社の高圧配電線側にも良すぎる力率が出てしまう。
その結果、受電する側の電圧(受電端電圧)が送電する側の電圧(送電端電圧)よりも高くなってしまう。
その対策として、こういった装置を負荷が多い工業団地に設けているようだ。
分布は東京電力管内であれば様々。千葉県、埼玉県、静岡県などで確認している。
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各装置を上から見ていくと、まず上部に開閉器があり、その下にもさらに保護開閉装置(スイッチ)がある。
次いで、その下にあるのが肝心な分路リアクトル装置である。
なお、力率改善装置の取り付け方については、上記写真のように本線に直付けするか
(こちらは、千葉県花見川区の工業団地にて発見!)
↑本線から一度、枝分かれさせてから取り付けるかの2通りがある。
(こちらは静岡にて!)
↑また、相当負荷の多い場所(高圧引き込み線の多いエリア)ではこの通り
分路リアクトル装置を取り付けたものが、1本挟んでまたもう1本と連続しているような箇所もある。
一方こちらは、他にスペースがないためか、一度分岐で振り分けた後に分路リアクトル装置を設置
高圧の支持にDアームを使用したものでの発見は、これが初となった。
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古くはこういうものもあった!
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力率改善装置としては、近代普及の分路リアクトル装置とは違う構成のものが過去にも普及していたようである。
普及時期は昭和30年代、当時は変圧器1台装柱のごとく、進相用高圧コンデンサーを直接、1本の木製電柱に設置した例もあったようだ。
沢山あったのかどうかは不明だが、当時の工業高校の文献にその様子が載っている。
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撮影地:埼玉県熊谷市
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銀ピカの新装柱で分路リアクトル
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撮影地:埼玉県春日部市
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低圧配電線を施設しながら分路リアクトル
低圧動力線、低圧電灯線を施設した上部に分路リアクトルを取り付けた例は、極めて珍しい。
スペースの関係で、本来ならば低圧はCV線にするか、もしくは分路リアクトルは、一度高圧を振り分けた終端に取り付けるなどの例が多い。
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さらに!最近では
<<上部の変圧器への引き下げ線支持のトンボ腕金は、完全に省略したものが登場>>
変圧器の設置に変台(変圧器の土台)を使用していた頃(1998年〜2012年頃の変台不要も含む)は、上下に変圧器への高圧引き下げ線を支持する腕金があったが
最近では、上部の変圧器への引き下げ線支持の腕金(トンボ腕金)は完全省略し、高圧用腕金に直接、変圧器への高圧引き下げ線支持の高圧がいしを直付けするようになった。
直付けを紹介!
変圧器への高圧引き下げ線支持を支持した高圧がいし(耐塩高圧ピンがいしと普通の高圧ピンがいし)を高圧用腕金に直付けしているから、個人的には題して「直付け」と呼んでいる。
そして!翌年の2015年(平成27年)3月頃からは!
<高圧需要家引き込み開閉器を省略したものが新しいタイプとして登場!>
ここで高圧需要家引き込み開閉器とは、高圧需要家への高圧引き込み線の分岐点にある区分開閉器のことを示している。
この箇所で使われる区分開閉器は、気中開閉器(AS)が多かったが、2015年(平成27年)からは、その取り付けが省略されることになった。
これは今のところは、最近開店された大手コンビニチェーン店の高圧引き込み線の分岐で見ることが多い。
この通り!
従来までは、この位置に開閉器があったが
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2015年からは、その取り付けが省略された!
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高圧引き込み線を分岐するポーズといえばやっぱりこのポーズ!
1990年代は、避雷器があるものも数多くみたような記憶があるが
近年では、避雷器を取り付けないものも、それなりに多く見かけるようになってきた。
従来は場所によっては、東電側の配電柱に「高圧需要家引き込み開閉器があるよ」ということを示すプレートまであった。
需要家名まで丁寧に書かれていた。
さらにかなり前には、こういうのもあった。
ここでは右側にあるのが東電の配電柱で、左に見えるのが高圧需要家側にある構内第一号柱である。
昭和30年代〜40年代は、電流が少ない区間(20A未満の線路開閉用)に限っては、ダルマスイッチを使っていた時代もあった。
写真右側の東電の配電柱側ですが、引き込み線を支えている高圧用腕金に、3つの黒い塊みたいのが見える
これは確実に!がいし型開閉器だと思われる。
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ご覧の通り、従来まであった開閉器はなく(黄丸印)
そのままワイヤーの空中分岐を使って高圧引き込み線を分岐している。
こちらは設備更新した際に、高圧需要家引き込み開閉器を取り外したようだ。
開閉器がなくなっている。
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従来はこの通り、開閉器などのスイッチがあった。
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ところが今はご覧の通り!
ワイヤーを張った空中の中間分岐で、高圧引き込み線がそのまま高圧需要家へ分岐されている。
一部では設備更新時に既設から取り外したものも確認できた。
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<2016年(平成28年)登場の新手の電圧調整器!>
従来の配電用電圧調整器は、配電柱を2本立ててそこに大型の電圧調整器を設置するのが主流であったが、どうやら今後は1本の柱にそれを取り付けることになるようだ。
<2016年(平成28年)登場!ブッシングが長くなった柱上開閉器!>
<2018年(平成30年)登場!配電柱の全長の4分の3を鋼管柱にした新種!>
最近では、根腐れ防止の観点か、配電柱の全長、16メーターある内の4分の1の根入れ部分のみを鉄筋コンクリート柱にして、残す上部の4分の3部分を鋼管柱にした新種をやや見かけるようになってきた。
ここからはそういったタイプを紹介していく。
<分厚い引き留めクランプカバー>
<2022年登場・新たなケーブルヘッド>
<2023年(令和5年)登場!ブッシングが長いもので黒文字の柱上開閉器!>
<直方体の子局>
その他
<<塩害や強風対策によるものと考えられる、「見られる地域限定!」の新しいさまざまながいし>>
変圧器への引き下げ線支持用のがいしにクランプがいしによ〜く似たがいしを使用!こちらは千葉県限定?(登場時期:2009年頃には登場していたものかと)
強風によって海から吹き付けられる塩分により、電線とがいしを固定するバインド線の切れを防止することが目的なのかもしれません。
黒ずくめのがいし
神奈川県の茅ケ崎市、平塚市、鎌倉市では、10号中実がいしの周りを何やら黒い器のようなもので囲っているものがある。
登場時期は2011年頃のようであり、特にこれは茅ヶ崎で数多く確認している。
なお、これは特定の地域でしか確認ができなかったことから、これは黒い器を追加することで、どのくらいがいしが汚れるのか?など、高圧がいしの汚損試験を行っていたのかと思われた。
鳥の落とし物被害防止で、沢山の針金のついた防護管
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撮影地:栃木県下都賀郡野木町
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電線に止まった鳥の落とし物被害防止としては、トマラインが活躍しているが、中にはこのような針金びっしりの防護管を使うこともある。
効果としては針金がトマラインよりもびっしりとついているから、トマラインよりも絶大で上位に見える。
但しこれは、景観が悪いからか、トマライン程見かけることはない。
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撮影地:東京都小金井市東町
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