急角度地点の木製電柱
(現況:木柱自体は現存しているが、腕金とがいしは取り換えられた。
なお今は、全ての高圧配電線を片側へ寄せたやり出し装柱となっている。)

ここでは友人が東京都町田市相原駅付近で撮影してくれた木製電柱の写真を掲載しよう。
急角度となっているためか、高圧配電線引き通しのクランプがいしは2連となっていたようだ!
こうしたがいし2連については、普通の鉄筋コンクリート柱バージョンなら、今もなお多摩地域や神奈川に多数あるように思えるが、木製電柱バージョンでの発見は極めて珍しい!
それも木柱は、耐用年数を越え、今もなお立ち続けるのは凄いことだ。
種類について改めて述べるが、クランプがいしと腕金を2つずつ取り付けた抱腕金となっている。
しかしこちらも、建柱当初は恐らく2つずつ取り付けられた高圧ピンがいしによって引き通しをしていたことだろう。
さらにここでは、木柱によくありげな各パーツを紹介しよう。
かさ金:これは木柱頂部の雨水による腐りを防止するために被せされる。
支線ガード:支線のグリップをそのまま木柱に巻き付けてしまうと木柱を損傷してしまうため、溝付きの平らな金具を木柱に巻いて支線のグリップを固定している。
足場釘:これは木製電柱の足場釘なる。木柱にねじ込んで使用する。
なお、金具の先端は、東京電力管内では、尖がる方を下にしてねじ込んでいたようだ。
低圧ラックはねじ込み式:低圧引き留めがいしを固定する低圧ラックも、木柱の場合はねじ込んで使用する。
バンドを使うようになったのは、現代の鉄筋コンクリート柱になってからである。
最後に現状の写真を!
自分の手でも撮影しようと行ってみたが時すでに遅し!
既に2つずつあった抱腕金は、単一腕金に取り換えられていた。
もちろんそうとなれば2つずつあったクランプがいしも1つずつの配置となる。
これは高圧がいしの性能が向上したことが深く絡んでいるのだろう。
旧来の高圧ピンがいしでは、唯単に電線はバインド線で固定していただけだったから、強度的な問題で、高圧ピンがいしと腕金は2つずつ取り付けていた。
しかし現代では、高圧ピンがいしが高圧クランプがいしに変わった。
これが増えたので減少傾向にあるのだろう。
クランプがいしで高圧配電線を支持する場合は、高圧絶縁電線の被覆を切って電線を噛ませる形でがいしに固定している。
ピンがいしのように、ただ単に電線をがいしに固定するよりかは、丈夫な固定方法である。
解説はこれでおしまい。
参考文献:配電工学 現場の手引き(1)  昭和29年7月15日初版発行

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