2段重ね!
撮影地:埼玉県草加市
配電用変電所から立ち上がった高圧配電線は、2段重ね(2回線)にして配電されることが多い。
この場合は、最上段回線が遠方エリアでの配電用で、下段回線は近場エリアでの配電用で区別されるのが基本である。
他には、地方の電力会社では、これは3段重ね(3回線)の高圧配電線を見かけることもある。
なお、浄水場など、重要施設に対しては、一切、変圧器などの負荷に接続させない質のいい1回線を最上段に設けている場合も中にはある。
その場合、1回線はCVTケーブルしている。
西草加変電所から次々と立ち上がる2回線の高圧配電線
ちなみに現在は、国道4号バイパスが無電柱化されたため、途中から1回線になっている。
今回は、この高圧配電線を少し追ってみることにした。
2回線の高圧配電線の特徴についてであるが、通常の高圧配電線とは違い、上部にもう1回線、高圧配電線が張られている。
引き通しのクランプがいしは2:1に配置されており、東電管内では基本、2回線の高圧配電線を張る場合は、上下で高圧がいしや高圧配電線の位置を揃えるのが基本だ。
柱上変圧器については、電灯用(家庭用の100V電源に降圧できるもの)が取り付けられている。
なお、最上部にあるグランドワイヤーについては、次の柱からはないため、この配電柱にあるGWキャップにより引き留められている。
今度は変わって、高圧がいしの配列が3:0に変わった。
その種類が変わっており、上部はクランプがいしによる引き通しで、下段は高圧耐張がいしを使用した両引き留めとなっている。
その下段については、自動式の区分開閉器も付いていた。
さらにその下に高圧結合器もあるが、ここでは珍しく、変圧器への高圧引き下げ線を固定しているトンボ腕金に取り付けられていた。
取り付けられている変圧器についてだが、これはその下にある子局(遠方制御器)用の電源用変圧器になっている。
なお、今やその子局も新しいものが登場しており、現在は箱型仕様が基本になった。
こちらは先ほどと同じように、下段に区分開閉器が取り付けられているものとなっているが、今度は変わって、開閉器は手動式となっている。
なお、それを取り付けている高圧用腕金の両側には避雷器があり、鳥の巣避けの棒まで付いていた。
続いてこちらは変わって、Fアームを取り付けたもので、2回線の高圧配電線を支持していた。
上部は相変らずクランプがいしによる引き通しであるが、下段については、高圧耐張がいしを使用して引き留めていた。
なお、その方は、Fアームの内部に自動式開閉器を取り付けて、高圧配電線についてはここで1回線となっていた。
ちなみにその自動式開閉器については、常時スイッチが切られた状態となっており(常時開放)、実質はここで上段回線と接続されているわけではない。
ではなぜ、1回線化しているところに開閉器があるか?
それは起点の配電用変電所、もしくは途中の高圧配電線路で、2回線のうちのどちらかの1回線が、なんらか雷などにより故障した場合に備えているのだ。
2回線の高圧配電線が張ってあって、片方の1回線が故障して停止してしまった場合は、ここの開閉器のスイッチをオンにし、故障区間に逆送するのである。
これにて、国道4号バイパス沿いの追跡は終了
次は、埼玉県さいたま市を通る、国道463号線沿いにあった2回線も複数写したのでそれをアップしよう。
撮影地:埼玉県さいたま市
ここは最近、鉄筋コンクリート柱の世代交代が行われたようで、クランプがいしを取り付けた高圧用腕金は、両回線とも長い腕金となっていた。
(左側にある茶色の汚れているのが古い鉄筋コンクリート柱である。)
同様に、最上部にあるグランドワイヤーの支持にも長い腕金を使っているのだった。
低圧配電線も大きく古い配電柱を避けるように張り出されているため、変圧器への高圧引き下げ線もまた大きく左側へ張り出していた。
次は普通サイズの高圧用腕金で、クランプがいしの配列は、3:0となっていた。
よく見てみると、ここは上下で若干、がいしどうしの間隔も違っていた。
これは、最上段のものが間隔 小で、下段の間隔は中になる。
さらに下段では、右方向へ向けて、高圧配電線の分岐をしていた。
また、左側で分岐をしている高圧配電線はないが、ここでは珍しく、グランドワイヤーだけが左側へ分岐されていた。
次のものは少し古いようで、錆びが見られた。
次いで、鉄筋コンクリート柱の最上部には、パンザーマストを継ぎ足して、高さを上げている。
グランドワイヤーも上手く、パンザーマストに取り付けたバンドにより支持されていた。
クランプがいしの配列については、同じく3:0であるが、がいしどうしの間隔は、一番広くなっている大のものである。
これも古いもので見かけることが多い配列だった。
また、高圧用腕金の取り付けの向きについては変化があり、こちらは車道に対して右側を向いて取り付けられているのであった。
この古い取り付け方には意味があり、昔は高圧用腕金の取り付け向きを負荷側(電気の消費側)に向けて取り付けていた。
その意味を示せば、上記写真の通りである。
(ここで、電源側というのは、配電用変電所から来た電源の意味合いということになる。)
続いてこちらは、数本飛ばしたところで撮影
今度は変わって、両回線ともうまい具合にFアームによって支持されている。
Fアームについては、こういった大きな建物から配電線類を離隔させたいような場所でかつて使われていた。
今はこれの次世代版として、少し形が変化した離隔腕金が主流である。
なお、ここでは分岐側の高圧配電線に引っ張られているらしく、柱は少し右へ傾いているのであった。
次の構成は少し珍しく、上段がクランプがいしの配列が3:0による両引き留めで、下段は腕金中央固定で両引き留めという構成となっていた。
なお、ここは低圧配電線についても珍しく、低圧動力線しか通っていなかった。
さらにその次!
クランプがいしどうしの間隔は、1番広いものとなっており、高圧用腕金の取り付け向きは、両回線とも古いのか、負荷側向きとなっていた。
国道463号線沿いの2回線の撮影はここまでにして、後は色々なものを紹介しよう。
撮影地:埼玉県坂戸市
Fアームの次に登場したという離隔腕金はこれになる。
Fアームでは2回線の高圧配電線を張る場合は、専用のものがあったが、離隔腕金の場合は、単一腕金でそれぞれを支持している。
こちらは手動式の区分開閉器を挟んで、上下回線接続されているように見える構成であるが、実際にはその区分開閉器のスイッチは常時切られたものとなっており、非常時以外はスイッチを入れない構造となっている。
また、ここでは両回線とも雷にやられた場合に備えてなのか、両回線共珍しく、避雷器も取り付けられていた。
撮影地:埼玉県横瀬町
こちらは両回線とも高圧耐張がいしの配列は3:0に配列にして、両引き留めという構成となっていた。
なお、当時の配電設備の新設では、ジャンパー線支持の高圧がいしは、省略する傾向にあったので、この写真では、ジャンパー線を支持する高圧がいしがないのが見て取れた。
しかしこれは、2012年を超えると、今度は新設の両引き留め箇所で、限流ホーンを取り付けたクランプがいしを取り付けるようになったから、再びジャンパー線支持の高圧がいしは、新設が見られるようになった。
一方こちらは、平成初期頃に建てられた設備であるから、ジャンパー線支持の10号中実がいしが確認できる。
この通り、配電線は世代別にもちゃんと種類があるのだ!
こちらは離隔腕金を使用した両引き留めのものであるが、最近(2008年)新設されたものであるため、ジャンパー線支持の高圧がいしは、省略されているのであった。
 

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