足尾銅山の構内用配電線路 その1
ここからは、足尾銅山の構内用配電線を見てゆく。
同銅山の構内用配電線もまた、長いこと設備は未更新のようで、支持物は木柱で、アームも腕金ならぬ腕木が基本のようで、結構な見応えがある。
高圧がいしについても当たり前のごとく、かつての高圧の配電電圧3300V用の高圧ピンがいしや茶台がいしなどが見られる。
また、スイッチ類に関しても茶色のがいし型開閉器も確認でき、その製造メーカーもまた、今ではかなり珍しい、亀山式がいし型スイッチなどが見られる。
しかし一部では、1990年代か2000年代に設備更新を行ったような形跡も見られることから数十年ぐらい前までは、まだ活線もあったように見られる。
しかし現状は、どこが活線でどこが停止線なのか、全く見分けはつかない。
それはさておき、まずは!その構内線の起点と言えよう通洞変電所から見てゆく。
まずは通洞変電所の東隣を見てゆくと
1回線を支えている鉄柱の送電線が見える。
この送電線路名は通洞線とあり、回線番号は1号線とあった。
1号線ということは、2号線もどこかにあるはずだ。
この送電線の起点は、古河日光発電の細尾発電所のようである。
ここでは見た感じ、同発電所を起点とした各1回線ずつの送電線が、それぞれ別々のルートを経て、通洞変電所へ引き込んで、電圧を降圧させて各構内用配電線を引き出しているようだ。
なお、通洞線の送電線がそれぞれ別々のルートを経ている理由はこうだ。
このエリアもまた夏場は、雷が多いものかと思われる。
2回線の送電線を同じルートで張ってしまい、両回線ともダウンされては元も子もなく、使えなくなってしまうから
ここではそれぞれ別ルートで、1回線ずつ送電線を引き込ませているように見られた。
とりあえず1号線の方はその後、変電所の建物の上部を一度通った後に変電所へと引き込まれる。
これがまた電力会社の送電線では見かけない例だ。
ここはスペース的には、そうした方が都合がよかった感じなのだろう。
変電所の建物は、だいぶ老朽化が進んでいるようだ。
これから見てゆく構内用配電線は、活線であるのかどうかの見分けもできない区間もあるので、ご了承の上、ご覧あれ!
変電所の裏手はこんな感じ。
通洞線1号線は、変電所の裏手にある鉄鋼で引き込まれる。
なお、2号線の存在については、ここで気が付いた。
2号線については、先ほども少し述べたが
別のルートを通ってきて
同じくここで引き込まれるようである。
さて、変電所構内で電圧を落とし、引き出された後の構内用配電線(構内用高圧配電線)は、結構な数がある。
見た感じ、変電所の東側と北側へ向けて、それぞれ多くの回線数のある構内用配電線を引き出しているようである。
(※うち、東側については。途中にあったレンガの構造物や変電所の関連施設が取り壊しとなったため、その方は現状、電線路もあわせて撤去されている。
しかし奥にある、支持物を鉄筋コンクリート柱とした2回線は、2023年版のストリートビューを見た限りでは、まだ現存しているのが見て取れた。)
まずはその中で!通洞変電所北側の構内用から見て行く。
北側からして、既に回線数は凄まじかった。
かなりの電気を必要としていたように見られた。
引き出し口の拡大はこんな感じ。
構内用高圧配電線に使われている絶縁電線は、多分アルミ線かと思うが、ここでは銅線用の引き留めクランプを使用しているようで、そのカバーもまた銅線用の長いものであった。
なお、高圧耐張がいしについては、ちゃんと水抜きができるようにするために、逆付けになっているのがわかる。
特に!中でもここは、引き出した直後の電線を支えている!無数にある茶色の初期規格品と思わしき相当前の古い高圧ピンがいしに見応えあり。
なお、ここで高圧がいし類を取り付けているのは、腕金ならぬアングルである!
構内用の配電設備は、東電は管轄しないと思うが、ここはかなりの数の構内線があることから、一部では東電も借りる形で管轄しているような感じもあり?
さて、引き出された直後にある支持物はこんな感じだ。
電線の数が凄まじいため、電柱は2本建柱されたH柱を基本としていた。
架空地線については、一応変電所の建屋からワンスパンのみ張られているようである。
いや、ここは架空地線ではなく支線だろうか
次に、高圧配電線の回線数を数えていくと、一部は断線しているのもあるが全部で6回線あるように見られる。
断線しているものを含めると、合計8回線!
うち、左手前の下段の高圧配電線は、2本しかないことから単相交流2線式に見られる。
また、高圧耐張がいしの個数については、一部では今もなお3300V設備もあるのか、1個しかなく、またそのカバーもない箇所もある。
と思ったが、そこでは銅線用の引き留めクランプではなく、アルミ線の引き留めクランプが使用されているのがわかった。
銅線用のカバーが被さっている方も、もしかするとアルミ線の引き留めクランプがあるのかもしれない。
なお、高圧がいしを取り付けているアームについては、こちらはまたもやアングルとなっていた。
それもまた長いこと未更新のようで、アングルの錆びが凄かった。
それからこの方の支持物は木柱ではなく、鉄筋コンクリート柱となっていた。
年式的には、ここは高度経済成長期に建てられたように見られた。
それからここでは、鉄筋コンクリートの製造銘板も見ることができた。
それを見ると、この鉄筋コンクリート柱は、1961年(昭和36年)製であるのが見てとれた。
なお、電線路名については選鉱線のようで、各電柱に振り分けられる振り分け番号は、1号柱とあった。
しかしここは多分、各1回線ずつには電線路名があると思うが、どうだろうか?
もしくは各1回線ずつを、1号線、2号線としているのだろうか
とりあえずこちらの構内用配電線は、変電所裏手の足尾銅山通洞選鉱所跡へ向けて、数多くの回線が張られている感じである。
振り分け番号順に追っておけば、こちらは2号柱だ。
この方は、高圧がいしを取り付けているアームは、アングルならぬ腕金であったが、それがまた溝付きの相当前のものであった。
こちらも長いこと腕金は未更新のようであり、錆びが凄まじかった。
あまりにも錆びが進行すれば、しまいには腕金に穴が開いたり折れ曲がったりしてしまうため、ご注意を!
なお、高圧がいしについては、一部では今も使用している箇所があるのか?真新しい10号中実がいしに取り換えられている箇所も見られた。
ほとんどは昔の3300V用の高圧ピンがいしである。
現代の6600V用の高圧ピンがいしは、右側にある上下の1回線ぐらいである。
続いて3号柱は
再び、腕金ならぬアングルとしていた。
唯ここは、錆びが進行しているのか、アングルが少し中央へ向けてしなっている。
なお、高圧配電線については、ここでは多回線を振り分け引き留めしているようだが
その大半は、ここで使われていないことに気が付かされる。
なぜなら多くの回線は、現状はここで仮引き留めされているからだ。
この感じだと、現状使われているのは4回線のみのようであり、4回線中3回線は左(西側)へ向かっているのが見えた。
残りの回線は、まだこの裏手にある足尾銅山通洞選鉱所が現役だった頃に使われていたのだろう。
3回線の方は、わたらせ渓谷鉄道の裏手を通る。
なお、この方は高圧がいしは腕金類は一度取り換えたようで、少し新しい一面も見られる。
唯、鉄筋コンクリート柱だけは古い。
高圧がいしは、耐塩高圧ピンがいしや赤帯のない10号中実がいしなどさまざまである。
その次で、3回線中1回線は振り分けられ
その先は構内の奥の方へ向かい、途中で1回線ずつ2系統を分岐した後、最後の残った1回線は、そのまま建物へと引き込まれるようである。
(足尾銅山通洞選鉱所跡のGoogleの口コミに投稿されている外部の写真で確認済み。)
続いて残った2回線の方も、やがては構内の中ほどでへ入ってしまうため、3回線の追跡はここまでとなった。
続いて、大元のこちらで振り分けられている残った1回線も
支持物は鉄筋コンクリート柱のH柱としたものが3本ずつ奥へとあって、最後は両再度分岐していて
そのうちの左側が、恐らくこちらのPASで引き下げられていることだろうと思われる。
右側に関しては、10号中実がいしの引き通しとしたやり出し装柱が見えたが、その先は構内の中程へ進んでおり、追跡は不能のため、ここまでとなった。
次に、通洞変電所と、選鉱1号柱より、それぞれ各1回線ずつ振り分けられた後に2回線となる方を見て行く。

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