足尾銅山の構内用配電線路 その19
(切り離された北側の廃線)
現状、赤倉線の高圧配電線が寸断されている箇所からしばらく歩くと、今度は左側に渡良瀬川を横断する直前のものでH柱が見えてきた。
唯それは、撮影を予定していた廃線ではなく、新たに見つけたものだった。
まずは山側を見渡すが、この通り、この区間の赤倉線と思わしき電線路は撤去されている。
しかし川側にはこの通り!H柱が突如として姿を現す。
なお、引き留めのクランプカバーについては、ここで初めて銅線用の長いカバーが確認できた。
このカバーはどちらかというと、塩害地域での確認例が多いから、山で見るにはなんだかとてつもなく不思議な感じがした。
それからここはスイッチ類も付いていたが、開閉器ではなく初期の箱型の高圧カットアウトとなっていた。
初期型の箱型高圧カットアウトは、蓋の部分が茶色になっているのが特徴である。
こちらも支持物と腕金類は一度設備更新されたように思えるが、ここは特にスイッチだけが当時物に思えた!
この方は電線を残す形で、わずかワンスパン先で引き留めとなっていたが 終端がなんせ、木柱であるからな。
その終端のH柱については、木柱となっていた。
使っていないのであれば、せいぜい電背は撤去しないと危ういのでは
ちなみに今は背後に黒い筒が見える通り、裏手から引き込んでいるようだ。
高圧耐張がいしには引き留めクランプカバーがないものとなっていたが、こちらの高圧カットアウトについては後期品の箱型であった。
さて、道草はここまでとし、先へと進む。
銅親水公園の入口付近にやってきた。
ここでも再び、昔の細い銅線をバリバリ使用したものが姿を現した。
ここでは左側より、廃止されている高圧引き込み柱
現在使われているPAS付きの高圧引き込み柱
2系統の構内用高圧配電線の下をCVTケーブルとなって潜る直前にある東電の配電柱(CVTケーブルに変換している。)
現在は停止中となっていて使われていないが、引き込んだ後の構内用高圧配電線を、2系統に振り分けて立ち上げた支持物がそれぞれ2本確認できた。
左下の方で廃止されている方は、東電の高圧配電線より引き込んだものだったのだろう。
その後は右奥にある2本の立ち上がり柱で、各1系統ずつに振り分けられて、ここで構内用高圧配電線を立ち上げていた感じに思えた。
しかし今やその方は切り離されているようで、今はもう完全には使われていないようである。
ではまずは、手前の1系統めから見てみよう。
手前側の1系統めは、このアングルからでは左から2本目となる。
それにしてもここは、やたらと背の高い鉄筋コンクリート柱を使用していた。
ケーブルヘッドの種類は、昔の町工場の高圧引き込み用でよく見たような雨覆い付きのものとなっていた。
構内用高圧配電線を立ち上げ後は、これよりすぐ東側にある山の中腹辺りで!
4本の鉄筋コンクリート柱を使って、進路を振り分けていた。
4本もあるのは理由がある。この先でスパンの長い川を横断するからだ。
なお、使われているアームについてはかなり古いようで、アングルとなっていた。
年式的には昭和35年頃かと思われる。
それにしてもこれは、どこか独特な形状だ。
続いて川の横断後にあったのがこちら。
支持物は変わらず鉄筋コンクリート柱で、H柱としていた。
ちなみにその裏手には、構内用と思わしき10号中実がいし引き通しのものも見られる。
費用面で考えると、川を何か所か横断しながら需要地へ進んでいった方が鉄筋コンクリート柱を数本使うのみで済むから、廃線として残っている方を活用すればいいのかと思うが
その方は劣化が進み、また、新たに建柱できそうなスペースがないため、ここはやむを得ず、新しい構内線を背後に新設したように思えた!
拡大はこんな感じ。
なお、需要地は結構奥にあるようで、まだまだロングスパンどうしを支えた構内用配電線が続いていた。
ここではとてつもなく長いスパンが基本のため
鉄筋コンクリート柱を4本ずつ建柱して、さらにはその4本間を何かアングルのようなもので固定したものが続いていた。
この先にも、カバーのない高圧耐張がいしが張っていることからまだ廃線が続いているようであるが、奥の方は行けないため、ひとまず1系統めの追跡はここまでとなった。
続いて2系統めを見てゆく。
ということで、2系統めの立ち上がり柱に戻ってきた。
次は青色で囲った方を見てゆく。
2系統めも立ち上げ後は、変わらずの銅線で
すぐ東側にある山の中腹部辺りに
この方は4本とはならず、2本のH柱なる鉄筋コンクリート柱を建てて
廃線となった構内用高圧配電線は、両引き留めとなっていた。
唯、こちらはアームには腕金を使用していた。
いずれとも錆びは凄まじいが、下段にある補強用の長い腕金については、既に複数の穴が開き始めており、そろそろずり落ちそうだ。
この錆びの色具合からも、1960年代のものであることは確実だ。
この太く、また内部に空洞の空いている腕金は、近代では見かけないものだ。
なお、銅線用カバーもは劣化が進んでおり、一部カバーが開いて内部にある引き留めクランプが見えていた。
立ち上がり柱を含めた反対側はこんな感じ。
この感じであれば、下段の腕金はずり落ちるどころか真っ二つに折れそうだ。
そして、こちらの方はそう長くは続かず
次のもので現状は終点となっていた。
しかしここは、この感じであれば、以前は右方向に進んでいたものかと思われる。
右側を見渡す限りは、今はその方は何もない。
足尾銅山の構内用配電線の追跡はこれで終了となった。
長い大長編になってしまった。

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