パイプアーム仕様による架空地線ごとのやり出し装柱(新規格)
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新規格とはいえ、もう既にこれも10年以上前にはあったものになりますがな。
私が初めて中部電力の配電線を見たのは2005年に初めて長野に行った時だったのだが、もうその時にはそれはあった。
とはいえ、中部電力では東京電力のように、次々と新しいものを登場させてはいないから、それを踏まえて言えば、今でも新規格のものと言える。
それがパイプアームを使った架空地線ごとのやり出し装柱である。
(ここでやり出しとは、全ての電線を片側へ寄せて支持したものをいう。)
元々、高圧配電線がやり出しとなると、架空地線もそれに合わせて下を通る高圧配電線を雷撃から守らなくてはならないため、架空地線もやり出しになっているわけだが
中部電力では、この場合の架空地線の支持については、新種では架空地線キャップとパイプアームが合体したものを基本としているようだ。
ちなみに東京電力管内では、ここでは古いものとなるが、架空地線キャップに横腕金を固定したものも普及していた。
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こちらは周囲の景観を考慮したのか、まず支持物については茶色に塗装した鉄筋コンクリート柱を使っており
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高圧用腕金については、腕金ならぬパイプアームとなっており、全ての高圧配電線を片側へ寄せたやり出し装柱となっている。
この手のパイプアームは、これまで必要だったアームタイが不要となるから、コスト的には安上りで済むと思う。
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そしてもちろん、最上部の架空地線もそれに合わせるかのごとく片側へ寄せている。
架空地線に使っているがいしについては、3溝がいしに思える。
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続いてこちらは、先ほどと同電線路沿いで発見
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今度は高圧配電線の両引き留め箇所による開閉器装柱で、パイプアームを使用!
この場合、開閉器は別に準備したパイプアームに別付けするみたいだ。
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その中でこちらはちょっと珍しい。
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架空地線の支持については、この場合はパイプアームと合体した架空地線キャップを使うものかと思うが
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ここでは珍しく
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普段は高圧用として使っているパイプアームを架空地線の支持に使っていた。
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一方こちらは、2回線の高圧配電線を張ったもので上下ともに両引きで
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パイプアームを使用!
背後にある分岐についても中央固定バージョンのパイプアームを使用!
それから高圧耐張がいしの引き留めクランプカバーもグレー色であり、良い感じであった。
青空にお似合だ。
なお、架空地線の引き留めについては、ほぼ90°パイプアーム一体型の架空地線キャップの位置を変えて引き留めているのが見える。
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続いてこちらは
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2回線の高圧配電線から2回線を分岐するもので、分岐先の引き留め含めてパイプアームを使用したもの。
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こちらは2回線の高圧配電線の引き通しでパイプアーム!
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一方こちらは変わって、単相交流2線式となった高圧配電線の引き通しで発見
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架空地線はなし。
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