ジャンパー線支持に6号中実がいし(クランプがいし2連引き通しとともに発見) その1
まず、6号中実がいしとは?
6号中実がいしとは、現在主流である10号中実がいしの初代規格として、東電管内では1972年頃に、一時期普及していた、高圧配電線引き通し用、ジャンパー線支持用、変圧器への高圧引き下げ線支持用の用途で使われていた高圧がいしであった。
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、山梨県で確認できたことから、当時は結構な広範囲で使われていたことが確認できた。
6号中実がいしについて、赤い線引きがないものも含む説明はこちらへ
今回はそんな中、神奈川県川崎市麻生区王禅寺西地区で発見したものを見てゆく。
今回発見のものは、こちらの王禅寺見晴らし公園の目の前にある。
看板を見ると他の地名もあるようだった。
鍋ころがしとは、少し面白い話だ。果たして、その鍋は何処に行ったのだろうか?
本題に入る前に折角であるから、まずは王禅寺見晴らし公園からの展望を!
ここでは遠くの丹沢の山々を望むことができ、絶景だった。
写真中央からちょっと左に見える高い山が大山といった感じだ。
特に冬の夕焼けの方が綺麗に見えるんじゃないだろうか
ちなみにだが、この見晴らし台も含めて王禅寺地区は、かつての1970年代にやっていた刑事ドラマ(大都会パートV)の撮影に使われたこともあったようである。
その映像では丁度、横幅1800mmの(今多い)高圧用腕金を使ったものでピンがいし2連などが映っていたのを覚えている!
よって!今この地区に残っているクランプがいし2連はその名残であることもわかった。
大都会パートVの「第35話 野獣狩り」では、ここから撮られた映像も一部流れており、右下に見える2本の振り分け引き留めの配電柱も映っていたのだった。
なお、当時の映像を見ると、そこのジャンパー線支持がいしは高圧ピンがいしとなっていた。
内陸だからなぁ
しかし現在は上記写真の通り!
やっぱり10号中実がいしに交換されておった。
この見晴らし台では他に、このページメインで紹介する「がいし2連」の古いタイプが複数並んでいる光景も確認できる。
ちなみに手前側にある送電線は、送電電圧154kV(15万4千ボルト)の桜ケ丘線が154kV柿生線に接続している鉄塔になる。
まぁその桜ケ丘線については、大分前に死線となったようだがのう。
その送電線についての説明は、こちらのページにアップしている。
さて、それでは本題に入ろう。
まずは、公園を出てすぐのところにある1本目から見ていこう。
ここでは高圧配電線が2回線となっており、各高圧用腕金の配置については、上段が腕金を中央に固定したもので下段は高圧用腕金を片端固定(全ての高圧配電線を片側へ寄せたやり出し)した両引き留め箇所になっている。
そんな中で、珍しく上段は、ジャンパー線支持の10号中実がいしが2連となっていた。
(普通は各線1つずつ取り付けるのが基本である。)
再確認するが、このがいしが現在ジャンパー線支持用として主流となっている10号中実がいしとなっている。
そして下段!!
下段はご覧の通り珍しく!10号中実がいしではなくそれよりもやや背丈が低くなった6号中実がいしが使われていた!
東電管内ではこれが初期規格として、1972年(昭和47年)頃から使用が開始されていたようだ。
唯、使用期間についてはそう長くは続かず短かったようである。
そのためほとんど見かけることがない。
<<2つの中実がいしの大きさの比較はこんな感じである。>>
 
左写真が現在主流となっている上段にあった10号中実がいしで、右側が下段に取り付けられていた初期規格の6号中実がいしになる。
ご覧の通り、6号中実がいしには側面に製造年月が書かれていないため、製造年の確認はできない。
但し、赤い線引きがないものについては側面で確認できる場合あり。
ではどこに製造年月の印字があるのかというと、電線を支持している天切り部分である。
これはとても地上からの確認は不可能である。
なお、上段で確認できた10号中実がいしには小さく三角形のようなロゴが確認できる。
こちらは日本ガイシさんの製造品である。
同社製造品では、1990年代以前に製造されたものでは現在のNGK表記ではなく三相交流のスターデルタ結線をモチーフにしたロゴが書かれている。
ということから、こちらも1970年代の製造品であることがわかる。
10号中実がいしについても同じく、1970年代には登場している。
ここでは上段回線の方が重要なので、強度を付けるため10号中実がいしを選定し、2つずつ取り付けたのかと思われた。
続いて2本目!
ここからはしばらく、がいし2連で高圧配電線の引き通しをした古いものが続く。
クランプがいしが2連になっている理由についてだが、これは高圧配電線が急角度となっているからだと思われる。
※唯現在は、クランプがいしで絶縁電線の被覆を剥いで固定してあるので、2連でなくても大丈夫なようだ。
(ここは1980年代頃にがいし交換を行ったので(昔の影響を受けたので)、クランプがいしを2連にしたのかと思われる。)
かつての6号中実がいしや10号中実がいしは、絶縁電線を唯バインド線で固定していただけだったので
当時の設備に関しては、カーブ箇所で引き通しのがいしを使う場合は、そのがいしを2連にする必要があった。
(ちなみに2019年現在、埼玉県蕨市で奇跡的に残った6号中実がいし2連による引き通しを発見している。)
恐らく元はこちらも6号中実がいしか10号中実がいしの2連引き通しだったことも考えられる。
まぁそれは現代のように太いアルミ線になっていればの話であるが・・・
なおここでは、単相3線式の低圧電灯線(100V/200V)を取り出すため、1台の電灯用変圧器を配置している。
引き出した後の電灯線についてはCVケーブルとなっている。
錆々の架空地線キャップについてだが、ここはコン柱の径が太いので、やや太いものが使われているのが確認できた。
クランプがいしの配列についてだが、これは間隔が一番広いものとなっていた。
続いて3本目!
クランプがいしの間隔は変わらず大である。
先ほどとの違いは変圧器がないこと
続いて4本目!
こちらは珍しく、クランプがいしの配列がそれぞれコン柱を挟んで、上段が2:1で下段が3:0といった組み合わせとなっていた。
この構成は関西電力でよう見かける2回線の場合の基本形である。
東電管内では2回線の高圧配電線を張る場合は、上下で高圧がいしの配列を揃えることが多い。
今のものを王禅寺見晴公園からも撮るとこんな感じである!
続いて5本目!
ここでは三相3線式の200Vの低圧動力線を取り出すため、変圧器を2台乗せている。
そして6本目!
最後はここでも6号中実がいしの使用が確認された。
どこにそれがあるのかというと、下段の高圧用腕金の一番右側にあるジャンパー線支持である。
しかしそのほとんどは10号中実がいしの使用が目立っており、ここで確認できたのはたったの1つだけである。
拡大写真はこうだ。
ここでは10号中実がいしと6号中実がいしとの背丈の比較もできる感じだった。
まぁそんなものは、うちでも比較が可能となっているがなぁwハッ!

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