引き留め、両引き留め、振り分け引き留め、真ん中のみ引き留めの種類(東京電力の電柱編)
配電線は永遠と直線に張ることはできない。道に沿って電線を張ることで、建物や障害物にぶつかることで角度を振らせる必要があり、橋のように必ずつなぎ目が存在する。 <まずはじめに、アームの種類について>
アームには古いものから、腕木、山形鋼(アングル)、溝形鋼(初代の腕金で片方に溝あり)、腕金(溝なし)があるが、現在主流となっているのは腕金(溝なし)である。
左から順に、腕木、山形鋼(アングル)、溝形鋼(初代の腕金で片方に溝あり)、腕金(溝なし)の例を示す。
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立ち上がり or 引き下げ箇所 |
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腕金中央固定タイプで | |
<<腕金の横幅長さ1800mmタイプ>> | |
開閉器なし | |
腕金2連による引き留め (抱腕金) |
腕金1本による引き留め (単一腕金) |
開閉器あり | |
終点箇所 | |
1960年代、元々は腕金は1本による引き留めが主流であった。 1970年代に入ると強度の関係か、次第に引き留め箇所では2連の腕金を使うことが基本になっていったが、近年では、その必要性はなくなったようで、再び新設で腕金1本による引き留めを見ることが増えてきた。 2連の腕金はカラスの巣が作られやすいから、幹線道路などの大容量の配電線を除いては、腕金は1本にすることが増えてきたともいえる。 |
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<<腕金の横幅長さ1500mm>> | |
腕金中央固定タイプで | |
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腕金を中央に固定するもので、腕金の横幅長さ1500mmで1960年代に一時期普及していた古いサイズになる。 古いものなので、やはり腕金は1本となっている。 |
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腕金片端固定タイプで | |
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腕金片端固定タイプでも引き留めや引き通し箇所で、腕金の横幅長1500mmを使ったものが希少であるが、実在していたようである。 写真は単相交流2線式の高圧配電線で旧型サイズによる引き留めになる。 |
<両引き留めの種類>
ここからは、言わば、配電線のつなぎ目で確認することができる両引き留め箇所の種類を紹介していく。
配電線のつなぎ目を結ぶジャンパー線支持がいしも古いものから新しいものまでさまざまな種類のものがある。
高圧用腕金の長さについては、1800mmを使うことが主流であるようだが、高圧用腕金を端に固定するものでは2000mm仕様の長い腕金を使うことがある。
腕金中央固定タイプについても、川の横断等で長いスパンになる場合に限っては、2000mmの幅広の腕金を使うこともある。
なお、当項目では下部にて、1500mm仕様の腕金を使った古いものもコレクションとして掲載している。
腕金2連による両引き留め (抱腕金) |
腕金1本による両引き留め (単一腕金) |
開閉器なし | |
腕金中央固定タイプ
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腕金中央固定タイプ
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開閉器あり |
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腕金中央固定タイプで
腕金片端固定タイプで |
腕金中央固定タイプで
腕金片端固定タイプで |
開閉器ありで引き下げ 高圧需要家へ地中ケーブルで分岐しているもので |
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腕金中央固定タイプで
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腕金片端固定タイプで
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特殊タイプ 腕金片端固定タイプで離隔距離が必要な箇所では通常の1800mmよりも長いサイズの腕金が使われる。 また、腕金中央固定タイプの場合も、川の横断などである程度、強度が必要な箇所で使われることもあるようだ。 |
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腕金片端固定タイプ
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腕金片端固定タイプだが、腕金の長さは2000mm以上か?
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ねんか・ねんが(捻架)をする両引き留め | |
腕金中央固定タイプ
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ねんか・ねんが(捻架)とは:配電線を長距離に張れば、当然、カーブや分岐箇所などで電線の長さが変わってくるから、張られている3本の電線1本1本に加わる電圧降下などにも不平衡が生じる。 そのため、配電線路の途中で、3本に張られている1本1本の電線の位置変えをすることで、それらで崩れたバランスを調節している。それをねん架という。 |
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レアな分類 | |
以下・開閉器なしで腕金中央固定の旧タイプを一部紹介 | |
腕金の横幅長さ1800mm
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以下、2008年頃に一時期普及していたが、現在、新設は未確認 | |
腕金中央固定タイプで、2008年頃から数年間にかけて新タイプとして普及した腕金の横幅1500mm(写真右手前)
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<振り分け引き留めの種類>
振り分け引き留めはカーブ等で角度を振る箇所で使われる。
腕金を段違いで取り付けて、角度を振っているのが振り分け引き留めの特徴だ!
腕金2連(抱腕金)による振り分け引き留め |
腕金2本(抱腕金)による振り分け引き留め (腕金の横幅長1500mm・2008年頃から数年に渡り一時普及) |
腕金1本(単一腕金)による振り分け引き留め |
腕金1本(単一腕金)による振り分け引き留め (腕金の横幅長1500mm) 1930年代の当時物で、ジャンパー線支持は耐塩皿がいし! 現在は完全に廃止されている。 |
<真ん中のみ引き留めの種類>
古いものでは稀に、真ん中のみを引き留めて両側は引き通しといったものがある。
元々は三相交流3線式の高圧配電線による完全なる引き留めであったが、後から単相交流2線式の高圧配電線を延線した箇所で採用することもあったようだ。
腕金中央固定タイプで | |
開閉器なし | 開閉器あり |
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変圧器があるもので | |
交差させながら、上段にて! | |
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その逆バージョンでこちらは、真ん中のみ両引き留め | |
がいしの配列2:1で!真ん中のみ引き留めの珍しいタイプ |
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腕金片端固定タイプで真ん中のみ引き留め | |
一方でこちらは真逆のもので 腕金片端固定タイプの真ん中のみ引き通しで、両サイドは両引き留め |
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真ん中のみ引き留めのタイプと同様に、後から単相交流2線式高圧配電線から三相交流3線式高圧配電線化したような箇所で確認 |
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一方で、その次には、両サイドのみ引き通しで真ん中のみ両引き留めといったものもあった。 |
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