近代的なアルミ線で!3本のジャンパー線支持に耐塩皿がいし! その1
高圧絶縁電線にアルミ線を使用したものでの発見は非常に珍しい。
現存している耐塩皿がいしの使用例は、銅線での発見が圧倒的に多いからだ。
それもこちらは珍しく、架空地線キャップを被せたものでの発見となった。
ちなみに大田区では、これと全く似たような構成のもので銅線バージョンを発見したことがあったのだが、それは惜しくも撮影はできずに終了している。
それは2009年12月撮影バージョンのストリートビューで見れる。過去の撮影への切り替えはPCでしか行えないようだ。
しかし今回は、それとほぼ変わらない同種バージョンで、3つの耐塩皿がいしをジャンパー線支持に使用した例が見られたからよかった。
どちらかといえば、この情報はツイッターで知った。
そのツイッターの情報主もまた凄い方だ。
ここではこの通り!2回線の高圧配電線を張ったもので、最上段回線のジャンパー線支持には、3つとも現役の耐塩皿がいしが確認できる。
しかしこちらは、残ったのには理由がありそうだ。
丁度それは、連系用開閉器の隣接配電柱で残っていた。
連系用開閉器というのは、非常時以外は特に操作を行わないものであるから、偶々その隣接配電柱で現役の耐塩皿がいしが残っていたようにも見られた。
それもここは、2回線まるまるの連系線のようであった。
そのため、連系用開閉器を1本ずつ振り分けて、上下に施設されているものが続く。
こちらはそのうちの1本目だ。
耐塩皿がいしがあったのは、その連系用開閉器を下段回線に備え付けたものである。
この通り、ここではまるまる3つの耐塩皿がいしが、ジャンパー線支持用として現役である。
架空地線キャップとのセットで、今時この構成を見つかるのはかなり難しい。
なお、ここでは隣接配電柱で連系用開閉器が集中しているためか、△、●、■のセンス札もついている。
高圧配電線の分岐や開閉器へリード線を接続する場合は、ミスがあってはならない。
そのためにこの△、●、■が付く。
余談:かつては試験用に三相4線式の高圧配電線(電圧は5700Vであるようだが、一部では11400V情報)もあって、中性線を接地していた頃もあったから、その当時はその接地線用のセンス札まであったらしい。
その場合、センス札の色は接地の意味を示した緑で、大きなだ円のような形をしていたらしい。
(参考文献:架空配電要網 昭和30年10月25日初版発行、送配電工学 標準電気工学講座7 昭和42年2月25日 10版発行)
こちらの耐塩皿がいしは、千葉のように高圧耐張がいしのストラップと特に重ね付けされていないから
普通に取り外しが可能のようにも思えるが、珍しく10号中実がいしへの取り換えが行われていない。
なお、耐塩皿の製造年は1975年を示していた。昭和50年である。
比較的後期に取り付けられたものだから、残ったとでもいうのだろうか
平成も終わろうとしているこの頃に、まだこれがあるのは本当に珍しかった!
さて、開閉器が連系用である証拠はここに!
高圧配電幹線を立ち上げる場合は、配電用変電所(ここでは深見変電所)は同じでも、それぞれ別々の位置で立ち上げているから、非常時は連系するような設備を施設しなくてはならない。
連系用開閉器は、それぞれ別の位置で立ち上がっている両方から流れてくる高圧配電線を、常時相互接続する箇所に設置するが、非常時以外はスイッチは切られており、相互接続していない。
そのため、2つの矢印がそれぞれ2方向あって、その中央に常時開放の文字がある。
しかし最近では、その常時開放のプレートは廃止傾向にある。
東電管内の設備でも最近新設されたものでは、プレートは完全に省略されている。
ちなみにこの手のプレートはお隣の中部電力管内でも確認しているが、発見例は東電管内ほどない。
そちらではほとんどないといっても過言でない。
続いてこれは、鉄筋コンクリート柱本体の製造年となるが、こちらは耐塩皿がいしより4年古かった。
続いて反対側はこんな感じ。(笑)
人生で1度や2度しか見られない激レア設備であるから、つい激写してしまった。
裏手に見えるが、ここでは他にも配電用変電所からの立ち上がり柱が集中している。
なお、そういった立ち上がり柱が集中した箇所で確認できる連系線は、1回線であることが多い。
ここは少し特殊で、たまたま2回線の連系線が張られてたから、耐塩皿がいしが偶然残ったようにも思えた。
これより5本程手前側で、連系線と本線を振り分けた開閉器装柱がある。
その感じだと、本来の別にある2回線の立ち上がり柱に合わせて、ここでは1回線を2回線へ分岐させるかのごとく連系線を2回線施設したようにも思えた。
多分旧式なんじゃなかろうか
よくあるものでは、2回線中、最上段の1回線のみの連系線を施設したものが多いが、ここではすぐ近くに重要な電話の基地局があるから、そうしたようだ。
2回線の高圧を張る場合は、下段回線からどんどん負荷を接続していく。
だからここでは重要施設との接続が確認できる下段回線の連系も取っているわけだ。
なるほど、それで珍しい設備がいくつか残っていたわけだ。
↑ここでは珍しく、下段回線に自動化された連系用開閉器がある。
ここは主に、2回線中、下段回線の連系をメインとして連系用開閉器を施設したように思われる。
架空地線キャップと3つの耐塩皿がいしの構成が絶妙だ。w
↑重要施設と接続していない方の連系用開閉器は、自動化ならず。
なお、上段回線についても決して見捨てられているわけではなく、他にも(このリンク先の写真の左から2本目に)他の高圧配電線路と連系させたものがある。
これまた下段回線が使えなくなった場合に備えての2重連系であろう。
2回線の高圧を張る場合は、その電線路の途中に、必ず、上下回線間に連系用開閉器が施設される。
それでその耐塩皿がいしのある側にも、連系用開閉器がもう1台ある。
それが先程手前側で確認できた、比較的新しいものになる。
ここでは最上段回線に連系用開閉器があるということになる。
写真裏手に見られる別の箇所で立ち上がる高圧配電線が、なんらか雷などによって故障した際は、ここの開閉器のスイッチを入れて、停電区域に逆送できるというわけだ。
常時開放のプレートはこんな感じ。
こちらは平成初期頃に設備を一新させたようだが、常時開放のプレートは昭和50年の当時物に思えた。
大体現存する常時開放のプレートは、当時物であることが多い。
最後に、ここでまた先ほどの反対側を!

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