配電線は送電線が苦手
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似たような仲間である電圧の高い送電線であっても、実は配電線は送電線が苦手なのだ。
そのため、電圧の高い送電線の下を通る配電線には、遮蔽線をその上に設けたり、送電線からできるだけ離隔できるように、配電線の位置を通常の位置より少し下げたりしている。
何が苦手なのかというと、送電線から稀に生じる誘導障害というものだ。
配電線の絶縁電線(被覆のある線)化に関しては、結構前に行われたが、送電線の方は今も裸電線なのだ。
送電線の大部分の絶縁は、空気に頼っているから、時には電圧が誘起され、誘導障害が引き起こってしまうのだ。
その結果、下を通る配電線などにもビリビリッときてしまうため、悪さをしてしまうわけだな。
なお、配電線の絶縁電線化が大きく関係しているのか、最近では、遮蔽線の新設は見かけない。(千葉は例外)
今回は、そう思わせるような設備を見て行こう。
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撮影地:東京都足立区
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こちらは東京都足立区
写真には写っていないが、ここでは上部に花畑線という154kV(15万4千ボルト)の送電線が通っている。
この送電線は、かつての昔は上越幹線から分岐されていたものだった。
大昔は、「上越送電線路花畑支線」ともいった。
まぁここではそれはさておき、配電線の方を見て行こう。
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さぁ配電線であるが、ここでは上部に大きく空間を空けて、その花畑線の下を通過しているのであった。
こう見えてしまえば、明らか配電線は送電線が苦手であるのが分かる。
なお、送電線との交差地点には、グランドワイヤー(架空地線)、は張られてはいなかった。
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次の配電柱もこの通り!
通常よりもずいぶんと低い位置に高圧配電線が張られているのだった。
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撮影地:茨城県龍ヶ崎市
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一方こちらは現場は離れて、茨城県の竜ケ崎市内にかつてあった、すずらん柱による1回線の送電線(支持物)!利根浄化線の撮影に行った際に見つけたものだ。br>
ここでは、利根浄化線なるすずらん柱自体もかなり背が低かったため、、高圧配電線も、それから遠ざけるように、かなり低い位置を通過しているのであった。
また、通過区間は、すずらんの方も離隔距離確保のため、水平配列となっていた。
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ちょい接近!
利根浄化線がなくなってしまったことは、私もとても残念に思った。
何故なら、ちゃんと木製送電柱区間の撮影ができていなかったから!
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反対側もこの通り!
交差区間については、やはり、グランドワイヤーは、張られてはいなかった。
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