ミニ講座その1

電柱と電信柱の違い

世間では「どちらも一緒」と思われがちであるが、電信柱と電柱の意味合いは違っている。
電信柱というのは信号を送る線のみを支持する柱のことを示す。古くは架空裸線路支持柱や電信棒とも言われていた。
これは言わば現代でいえば、電話線や光ファイバーのみを支持する柱のことを示す。
(古い言い方でいえば、弱電の意味合い。)
電信柱の由来については、日本電信電話公社(現:NTT)が管理する柱であったから、その社名の一部を取って電信柱になったとも言えると思われる。
基本的にはNTTが管理している。背の低いものについては、皆電信柱と思っていいと言えよう。
または、電話線には低い電圧がかかっているから、電が付いたのだとも言えそうだ。
(ダイヤル式黒電話が電話線のみで動いたのがその証拠である。)
一方で、電柱というのは、強い電圧がかかった電線を支持する柱のことを示している。
(古い言い方でいえば、強電の意味合い。)
なお、電力会社の配電線(高圧配電線と低圧配電線)が架かることが基本であるから、配電柱ともいう。
管理についてだが、こちらは基本的には電力会社の配電線が架かっているから電力会社が管理するが
全部の電柱を電力会社が管理するとなると、これまた独占になるからだろうか、NTTが管理している場合もある。
管理の見分け方については、次のぺージで紹介している。

電柱と電信柱の両方の名前が混在している理由

元々、昭和30年頃までは、配電線(強い電気が通った強電線)と電話線類(弱電線)とを別々に分けて支持していた時代があったことから、電信柱と電柱の2つのワードが誕生したのかと思われる。
近代でも偶に、通信線や光ファイバー、電話線類のみを支持している柱があるが、最近では配電線と電話線類を一緒に混ぜて電力会社の電柱に共架することが主流である。
なお、2つの強電線、弱電線の共架が開始されたのは、昭和24年4月18日の経済安定本部公示第2号をもってからのようだ。
そのため、それ以降の高度経済成長期にかけて製造された鉄筋コンクリート柱(電柱)は、製造年の印字がある部分に新共架と印字されたものを多く見かける。
この時代からこうして、電力会社の電柱に電話線などといった通信線が共架されることが増えていった。
道端にある背が高い支持物の呼び名は普通に電柱でいいと思われる。
(※冒頭で少し触れたが、業界用語では、電柱は配電柱の他、共架柱、共用柱ともいう。名称は多数・・・)
電信柱は基本、背が低い場合が多い。

1972年に製造された鉄筋コンクリート柱で確認できた、新共架と印字された電柱
電柱として使われる鉄筋コンクリート柱の製造銘板の意味合いについては、こんな感じである。
なお、未口と元口径の単位は、こちらはセンチメートルかと思われる。
(※当サイト作者は、東京電力管内にお住まいがあるため、ここでは東京電力管内の配電柱を例に上げる。)

鉄筋コンクリート柱の製造銘板は、大体電柱のプレート付近(下の方)にあるが、これまたそのプレートに覆いかぶさって見えないこともある。

※ちなみにお隣の中部管内では、この手の製造銘板は、結構下の方(根本付近)にある。
これまた地方ごとに大きく違っている。

また、鉄筋コンクリート柱の製造会社も違い、同管内では、東海ポール社製造が目立つ。
なお、製造年については、同社製造品では4ケタの西暦で表記されているのがわかる。

続いてここでは、配電線と電話線が分かれて支持されていたイメージ写真を掲載
写真左側の変圧器が乗っかっているのが電柱で右側は電信柱となる。

電柱の例
これら1式3点を支持したものを電柱という。
(業界用語では、配電柱、共架柱、共用柱ともいう。)
田舎道だと低圧配電線はない場合もある。

電信柱(電信棒)の例
電話線や光ファイバーケーブル類のみを支持したものを電信柱という。
基本的にはこの柱は、強い電気がかかった電線類は支持しない。
しかし現代は、低圧引き込み線や支線を支持している場合もある。

大昔の電信柱(電信棒)の例
明治〜昭和30年頃まで、日本国有鉄道(JR)の線路わきで、主に通信線の支持用として普及
こうしたものは、形状がハエタタキに似ていることから、ハエタタキとも呼ばれていた。
こちらは既に使われていないものとなるが、JR身延線の芦川駅前に、支線ごと残っていた。
これだと確かに、電信棒と言いたい感じがわかる。
電線の本数が少なければなおさらだろう。

<それが電信柱か電柱なのかを見分ける手法を伝授!>

それが電信柱か電柱であるのかを見分ける方法であるが、柱の番号札をご覧いただければ一目瞭然である。
柱にNTT札のみあれば、それは電信柱の意味合い。柱に電力会社の電柱番号札のみあれば、それは電柱、配電柱の意味合い。両方あれば、世間では電柱、業界用語で共用柱といった感じである。
しかし、電柱の所有については、番号札(プレート)の付け方次第で、変わっている。
これはまた細かいが、例えば、東京電力管内では、地面に近い方にあるプレートがその電柱を管理している所有社となり、関西電力管内では、一番上にあるプレートがその電柱の所有社となっている。
所有社に違いがあるのは、明らかに電力会社の配電線の亘長が長く、そのままの状態では、電力会社側がNTT側に電柱を共架で使わせてもらっている例が増えてしまうからである。
となると、独占しているかのようにも見えてしまうため、例え電力会社が架かった配電線があったとしても、NTTが所有している例もある。
これについては、特に幹線道路や道幅の広い道路で適用されているようである。
なお、それらを踏まえた、詳しい番号札の種類及び説明については、次のページで紹介している。

ミニ講座その2 支持物に取り付けられているプレートの種類へ!

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