東北電力の2回線! その2
ここでは引き続き、東北電力の2回線の配電線の種類を紹介していこう。
あぜ道を歩いていると、何処からもなく、2回線がやってきた。
まず見えてきたのは、振り分け引き留めによる2回線の装柱だった。
とりあえずこちらの配電線は、牛清水線というようだ。
東北電力管内では、電柱番号札には、地名を書くよりも、電線路名で示すことが多いようである。
続いて見えてきたのが、早速の連系用開閉器
ここでは、2回線の内、上段は基本形の引き通しで、その下段は、連系用開閉器を取り付けたものだった。
しかしこちらは、お隣の東京電力管内の2回線の配電線のように、2回線どちらとも連系用とは行かず、片方のみでそれが確認できたのだった。
連系用開閉器というのは、常時スイッチが切られた状態の開閉器を示しており、いずれかの方角にある配電用変電所から引き出されている高圧配電線が
事故などで故障した場合に備えて、生きた回線から故障している回線へ、連系できるように施設されている開閉器を示している。
写真に記した通り、この開閉器に接続されている両側の高圧配電線は、それぞれ別々の方角にある配電用変電所から来ているということになる。
開閉器の指針であるが、切の方を指している。
こうした状態の開閉器は、両側の高圧配電線は、事実上は接続されていないことになっている。
続いてこちらは、連系用開閉器を取り付けた次の配電柱を撮影したものになる。
ここでは、左側にあるマンションへ向けて、高圧配電線を分岐しているものとなっているのだが
その終端には、少し大きめのトランスを取り付けたものが確認できた。
どうやらこれは、サービストランス(変圧器)装柱のようだった。
普通、こうしたマンションの場合は、高圧のまま引き込んで、需要家内にある高圧受電設備で低圧に落としていくが
電力会社側で変圧器を取り付けて、マンションに引き込む前に低圧に落としてくれる場合もある。
それがサービストランス装柱だ。電力会社側がサービスでトランスを取り付けてくれるというわけだ。
なお、変圧器については繁華街などでよく見かける、いわゆる都市型配電用の大容量のようだった。
まぁこれは、お隣の東京電力管内でも見かけることがある。
しかし、都市型トランスのない他の電力会社では、複数の変圧器を取り付けた配電柱が密集しているものもある。
続いてこちらは、ややカーブを振っているためか、2回線どちらとも中実ピンがいしと高圧用腕金を2本ずつ並べた抱腕金による引き通しとなっていた。
なお、変圧器へ接続されている下段回線については、避雷器の取り付けが確認できた。
東電管内では、そうしたものは大分減ったが、こうして見ると、どうやら東北電力管内では、まだ避雷器の新設があるようだ。
変圧器については、異容量のものが2台乗っており、三相4線式低圧配電線を取り出しているようだった。
続いてこちらは
普通の基本形だ。
低圧配電線については、郊外でよう見かける、いわゆる両用線なる三相4線式だ。
(基本は、動力線は三相3線式、電灯線は単相3線式が主流で、それぞれ電線も別々に振り分ける。)
その次は
振り分け引き留めだ。
こちらは
1回線の分岐箇所で、多少の張力が加わるからか、本線となる2回線は、どちらとも高圧用腕金を2つずつ取り付けた抱腕金となっていた。
こちらは、1台の電灯用トランスを乗せたものとなっているが、その供給先(負荷)は右側のお宅のみで、この配電柱はマイ配電柱と化しているようだった。
その後は、基本形がずらり。
続いて奥の方では
形が乱れたものが続く。
その中で、まずはこちらだ。
ここでは、2回線ある内の下段の1回線より、3方向へ向けて高圧配電線を分岐している感じだ。
分岐の内容については、最下段の引き通しについては、両側へ分岐
最下段にある分岐は、高圧引き込み用のようだった。
どうやらそれは
次にあるこちら(上記写真で左手前のもの)で、一括で2方向へ向けて、高圧引き込み線を分岐できないために
直前にある前のものから、長い高圧引き込み線を張っているようだった。
そういえばだが、高圧引き込み線を分岐する場合に施設される電力会社側の区分開閉器は、東北電力管内でも既に省略しているようだ。
それは何故かといえば、需要家側にPAS(高圧気中負荷開閉器)の取り付けが義務化されたからであろう。
なお、ここでは
2回線間に開閉器が挟んであるが、スイッチが切られているので、これは連系用開閉器のようだった。
ここでまた振り分け
その後は、下段回線に自動式区分開閉器を取り付けたものや
基本形が続くが、高圧用腕金については、負荷側向きのようだ。
ということで今回も、負荷側から2回線を追跡していく形となっていた。
ここでは下段回線にて、高圧引き込み線を分岐しているが、やはり東北電力側の区分開閉器は、省略されている。
それにしても、需要家側の設備が随分と豪華ですな
高圧引き込み線を引き留めている1連の耐張がいしには、耐雷ホーンらしき耐雷装置が、高圧気中負荷開閉器の後には、断路型避雷器が、その後は、計器用変圧変流器などが装柱されておった。
さて、ようやく2回線の起点付近にたどり着いたが、どうやらここでは、2回線とも同じ位置で立ち上げというわけではなさそうだ。
ここで確認できた、東北電力の2回線の配電幹線は、上記写真の通り、それぞれ別々の位置で立ち上げているようだった。
なお、ここでは、黄色で記した最上段の遠方用の高圧配電線を追ってみる。
ここでは、左側が現在追跡中の高圧配電線だ。
起点である配電用変電所については、写真に奥にある。
よって、高圧用腕金については、配電用変電所を背に向けるかのごとく、こちらを向いている。
いわば、負荷側向きの高圧用腕金ということだ。
次いで右側については、この辺一帯に電気を供給するために張られた高圧配電線のようである。
もちろんのことだが、左側にある遠方用に張られた高圧配電線とは、振り分けられて張られていた。
少し進むと、配電用変電所と共に、配電幹線の立ち上がり柱が見えてきた。
今、追跡してきた高圧配電線は、ここでは、下段にあり、左側の下段の区分開閉器を取り付けた箇所から立ち上がっているようだった。
なお、電柱番号札については、左側の立ち上がり柱から
順番通り、牛清水線 1号柱
2号柱と続いているようだった。
さて、おまけとして、先ほどの牛清水線の電源側である配電用変電所も見てみよう。
この変電所は、郊外にあるものとしては珍しく、送電線が張られていない。
66kVとある送電線は、地中線路なのだろうか
さて引き続き、反対方面の2回線もちょっと追跡してみよう。
そういえばだが、牛清水線については、こちらの2号柱にて、写真に示した黄色とオレンジ色の線の通り、両サイド分岐していることになるようだ。
ところで、2回線の立ち上げ後に施設される区分開閉器についてであるが、どうやら東北電力管内では、開閉器2台装柱の取り付けは行っていないようであり
それぞれ1本ずつの配電柱で振り分けて、取り付けているようだった。
続いて見えてきたのが、2回線間に連系用開閉器が施設されたものだった。
高圧配電幹線の立ち上がり箇所付近には、よくあるものだ。
なお、ここで施設される連系用開閉器の意味であるが、これは2回線ある内のいずれかの1回線が事故などで故障した際に、連系が取れるように施設されている。
いわばここで、片方の1回線の故障時に、停電区間に送電できるようになっているという形だ。
すなわち、開閉器のスイッチについては、通常時は、オフの状態である。
そういえばだが、開閉器のハンドル及び引き紐については、こちらは道路側に面していた。
この先は単一腕金による基本形が続くが、配電用変電所を越えた途端、高圧用腕金の取り付け向きに変化があったのは、おわかり頂けただろうか
単純な引き通しに見えても、高圧用腕金の負荷側向きのルールは、今も存続しているようである。
こちらは変わって
全ての高圧配電線を片側へ寄せたやり出し装柱となっているが
下段回線については、区分開閉器を取り付け
なお、その開閉器については、連系用開閉器のようだった。
そうか、ここでは下段回線については、牛清水線の配電線路と連系が取れるようになっている感じなのか
こちらの開閉器についてであるが、ハンドルは赤い方が上に上がっているのが見て取れる。
つまりこの開閉器は、通常は切(開放=相互間の配電線は接続されていない)の状態である。
なお、配電線を追跡することばかりを考えていたので、本来の下段回線の立ち上がり柱を撮影するのを忘れてしまったが
ここの2回線の振り分け引き留めの左側の木々に隠れた箇所には、2回線の内の下段回線(牛清水線とは接続されていない)の立ち上がり柱がある。
なお、上段回線については、今まで追跡してきたものが本来の配電線のようで、こちらの開閉器は、スイッチオンの状態である。
その奥には、今新たに立ち上げた2回線の内の下段回線とも連系を取れるように施設された連系用開閉器装柱を確認した。
その後は、基本形や高圧引き込み線を所々で分岐したものが続いていた。
引き通し箇所の単一腕金については、変わらず、負荷側向きである。
こちらは2回線の内、上段回線は抱腕金の両引き留めで、下段は単一腕金の引き通し
その先については、下段は腕金を伸ばして、1回線分岐である。
ここで振り返るとこんな感じだ。
遠目で見ると、たるみが凄まじい。
さて、後2本だけ見て、今回の追跡は終わりにしよう。
その2本というのがこれだ。
負荷側向きの腕金は続く。
手前のこちらについては
上下で腕金の長さが違っていた。
ここでは上段の方が、普通サイズであるものかと思われる。

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