足尾銅山の構内用配電線路 その14
そしていよいよ最後!
3系統めである左側(間藤線)を見てゆく。
唯この方も途中で間藤駅方面と、赤倉・愛宕下方面へ向けて分岐を行うから、果てしなく長い!
でもその前に!
最後ということで、ちょっと変電所の建物の内部の方を見てみよう。
この変電設備の入る建物も、目の前にある支持物と同様に、正しく昭和35年(1960年)頃に思える。
内部にはブッシングと、スイッチの役割をしているのか
斜めになった特別高圧ピンがいしなどが確認できた。
それでは間藤線を見てゆく。
ではまずはその立ち上がり柱より
左側から引き上がっているのが間藤線の立ち上がりだ。
この方は2回線とも立ち上がっているのが見えた。
なお、支持物に関しては、大半は鉄筋コンクリート柱となっているが、間藤線の起点部分である支持物は、片方は木柱である。
起点の高圧配電線を支えている引き留め箇所は、上段は高圧耐張がいしで、下段は茶台がいしである。
アームはアングル。
立ち上がり地点のプレートは、引き出し柱で統一されている模様。
後で見えてくる振り分け番号順で数えて行くと、ここから間藤線1号柱と続くようだ。
それから支持物も古いようで木柱が続く。
高圧配電線に関しては、こちらは2回線とも高圧耐張がいしを使用したもので両引き留め装柱となっていた。
見えづらいが、1号柱のプレート
1号柱を別アングルから撮影したもの。
上段のジャンパー線支持は高圧ピンがいしとなっているが、下段の方は最近取り換えたようで、赤い線引きのない耐塩高圧ピンがいしとなっている。
間藤線であることについては、次の2号柱で確認できた。
こちらは高圧ピンがいしの引き通しであった。
間藤線2号柱のプレート
続いて次の3号柱は、より古い感じ。
こちらも同じく高圧ピンがいしの引き通しであるが、2つずつ使用した引き通しで、一部では3300V仕様の旧型のものも入り混じっている。
それはといえば下段の腕金ならぬ腕木を使っている古い方である。
なお、変圧器への高圧引き下げ線については、2回線中上段回線から取り出しているようであり
それまた通常の引き下げ手法ではなく、一度CVケーブルに変換しての引き下げとなっている。
CVケーブルから普通の絶縁電線に変換した後で支えている高圧がいしやアーム類は、一度取り換えたようで、そこだけは真新しい。
変圧器への高圧引き下げ線を支持しているのは、赤色の線引きなしの耐塩高圧ピンがいし。
高圧カットアウトも割と新しそうな箱型で、それらを支持しているアームも近代の腕金である。
それから変圧器の型も構内用でしか見かけないようなものである。
同銅山の構内線では、開閉器や変圧器などの機器は、富士通製が目立つ。
それから驚きなことに、変圧器を載せている台(変台)もここでは腕木である!
よくぞ長いこと重量のある変圧器に耐えぬいているものだ。
ここはアームタイが威力を発揮しているのだろう。
プレートは切り抜きで。
接地線は木柱ならではの水色
続いて4号柱は橋の所にあった。
こちらは柱ごと設備更新されており、支柱を付けた両引き留め装柱
次の5号柱も柱ごと設備更新済みのようで、こちらは上下回線いずれとも10号中実がいしを2個ずつ取り付けたものによる引き通し。
高圧用腕金は中央に取り付け!
続いて6号柱では、下段回線より2回線を同時に水平分岐しているように見えるが
片側1回線(このアングルでは右側の1回線)については、この先で東電の高圧配電線より
高圧引き込み開閉器を挟んで高圧引き込み線を受け取っているのが見えたから、高圧引き込み線のようである。
どうやらここは途中から、片側1回線は東電の高圧配電線より高圧引き込み線を引き込むように変更されたようである。
これには構内用送電線がダウンした場合のことを考えている感じだろうか?
片側1回線については、いわば予備回線という意味合いなのだろうか
このアングルでは、右側のPASの方が東電から引き込まれている高圧引き込み線となる。
その方の引き紐は、入の方が下がっていた。
なお、こちらのPASを2台取りつけた後にある赤倉線の追跡は、後回しにする。
ここでは引き続き、間藤線を見てゆく。
7号柱は、上下2回線とも両引き留めとなっているもので、上段のみ開閉器装柱という構成であった。
なお、開閉器のスイッチは、入の方の引き紐が下がってるから入っているようである。
ちなみにその開閉器は高圧引き込み用のようで、開閉器を経た後は雨覆い付きケーブルヘッドを通り、地中へ引き下がる。
8号柱からは再び、支持物は木柱で高圧配電線は高圧ピンがいしを使用した旧式という構成が続いていた。
それにしてもここは、よくぞ崖っぷちに建柱されたものだ。
見た感じ、左側の8号柱はそのようである。
この感じの高圧ピンがいしの配列であれば、上下とも特に引き通しでもいいと思うが
ここは下段では両引き留めとする必要性があったのだろう、高圧茶台がいしを使用した両引き留め装柱となっていた。
なお、その方は手前側より硬銅線となっている。
間藤線、9号柱、10号柱と続く。
9号柱からは、途中で腕金を取り換えたようなものも並んでいた。
10号柱は、トタン壁の構造物の合間に
ここからは東電の配電線と並ぶ。
11号柱は再び、上下で腕金が長いこと未更新のものとなっていた。
今度は変わって上部が不均等に並んだ2:1の高圧ピンがいしの引き通し、次いで下段が高圧耐張がいしを使用した両引き留め装柱としていた。
また、アームタイの取り付け方も通洞線とは違う構成となっており、こちらは両回線とも両側にアームタイがあるのが見て取れた。
横はこんな感じ。
下段回線は、右側までは裸銅線である。
アームタイの取り付け位置については、11号柱と同じく、2回線とも両側にアームタイがある構成となっていた。
引き留めの高圧がいしについては、高圧耐張がいしであったり茶台がいしであったりさまざまである。
これについては丁度、高圧耐張がいしが登場した昭和35年頃に施設されたことが絡んでいそうだ。
なお、そのがいしについては、不要な箇所に黒いカバーがあるのも見て取れた。
それからここは中でも上段を支えているアームタイが、下段の腕金に中央部に固定されているのに相当古さを感じた。
今はそういうことはせず、鉄筋コンクリートに固定すると思うが、昔はそういう例が基本だったようである。
次のページでは、引き続き続きのものを見てゆく。
次のページに行く前に、東電の配電柱との比較を!
ここは低圧配電線がない分、構内用の方が低い。

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