時が流れても現役!1960年代中期の構内用配電設備
写真提供元:友人
(撮影年月日:2011年11月13日)
構内用で残っている木製電柱の写真を友人より頂いたので、ここではそれを掲載してみよう。
電力会社の配電柱より引き込まれた、左側を通る高圧引き込み線はPASを取り付けて、その先で一旦地中へ引き下げ!
その後は構内用として再び立ち上げて、構内へ配電される形となっている。
電力会社の配電線と繋がっている構内第一号柱は、鉄筋コンクリート柱への世代交代を既に行ったようだが
右側にはまだ以前まで使っていたであろう木柱による構内第一号柱がまだ残っているようで
高圧耐張がいしやケーブルヘッドなどが中途半端な形で残っているのが見える。
下段の低圧用腕金には茶台がいしも残っていた。
低圧茶台がいしの拡大写真
長い間塩害に晒されているため、がいしを挟んでいる2枚のストラップは錆びが激しい。
反対側はこんな感じ。
引き込み柱の周辺には、今もなお現役の木柱もあるようだった。
その中で左後ろに立つ木製電柱はまだ現役だ!
唯、ケーブル端末は最新のものになっている。
特にこれが古そうだ。
そして先ほどと同じように、中腹部には昔の低圧用の茶台がいしがある。
こちらは未だ構内専用の低圧線を引き留めており、現役のようだ。
唯、手前側は廃止側の木製電柱になるため線はない。
低圧線はまるで糸のように細い。
別アングルからの写真があった。
なお、奥にはもっと古いものがあるようだ。
柱の色から推定すると、これは丁度鉄筋コンクリート柱が都内で増えてきた昭和35年前後に立てられたものだろう。
他の支持物は木柱も目立っていたようだが、こちらは鉄筋コンクリート柱にしたようだ。
その他にも凄く気になるものが複数あり!
どれどれ、上段からよーく見てみよう。
うーん、今となっては絶対と言い切れる程、見ることができない不思議な構成である。
ジャンパー線支持についてだが、ここでは耐塩皿がいしではなく、東電管内では千葉限定の旧規格品となる耐塩ピンがいしが使われているのが見える。
次は右側の2連結の高圧耐張がいしに注目する。
この取り付け手法だと、塩分を含んだ風は右方向から左方向へやってくると見てよさそうだ。
高圧耐張がいしについては、溝の内部に塩分が溜まらぬよう、海とは反対方向に向けて取り付けることがある。分を含んだ風を避けるように耐張がいしは逆づけとなっている。
なお、その先端に取り付けられているカバーが未対応品のようだ。
今はちゃんと、高圧耐張がいし逆付け用のカバーもある。
そして!その下段にも注目!
ケーブル端末もここでは古いものが取り付けられている。
しかもなんと未だ現役のようだ!
この装置に関してもとても古いものになる。
その名も鋳鉄製なる旧型の「耐塩型ケーブルヘッド」である。
この装置は、3本の高圧引き込み線を鋳鉄製の終端箱内で1本のCVケーブルにしてしまうのが特徴である。
登場時期についてだが、この装置は既に昭和初期にはあったようだ。
それにしてもここは、足場ボルトがコン柱仕様なのに、なぜか木製電柱用のものが取り付けられているから不思議だ。
構内用の低圧配電線付近だが、アングルも確認できた。
これは現在の腕金が登場する前に使われていたものだ。
なお、写真中央を向いている低圧茶台がいしは、大きなVストラップを使用して固定しているのがわかる。
現在の高圧耐張がいし、低圧引き留めがいしが登場する前はこういうのが多かったが
地方の電力会社では高圧耐張がいしが普及している現在でもその手の大きなVストラップを使用しているところがある。
しかしそれは旧仕様とは種類が違う。
最下段には珍しく腕木も!
おまけ・その他周辺のもの
高圧配電線がないので個人的には撮影対象外となるが、中腹部には珍しく腕木が取り付けられているようだ。
ここでは大きいストラップが腕木の下で支えている。
そういえば、「アームは大ストラップで固定」と古い文献に書いてあった。
アスファルトの間に立つ木製電柱
下部には木の板が複数取り付けられていた。
根腐れ防止対策のものだろうか?
続いてこちらも支持物は木製で腕木のようだ。
さらには
茶台がいしも複数現役
さらにその近くには、もう1本木製電柱があるようだ。こちらは珍しく支柱までもが木製である。
オレンジ色に錆びている高圧用腕金上には、かつてはジャンパー線を支持していたであろう、耐塩皿がいしも残っている。
重塩害地区となるようだが、耐塩皿がいしの種類は普通の高圧ピンがいしに耐塩皿を追加したタイプとなっている。
なお、高圧耐張がいしに関しては2連結の内、1つが残ったままのようだ。
その高圧耐張がいしだが、ここでは上下でどちらも逆付けである。
海から吹く塩分を含んだ風に向けない取り付け方となっている。
この場合は右方向から左方向へ塩分を含んだ風が吹くことになる。
耐塩皿の製造年は1966年のようだ。

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