秩父鉱山の構内用配電線路 その4
分岐先も支持物は鉄筋コンクリート柱を使用した近代構成となっていたが、設備は古そうだった。
高圧耐張がいしは、現代の6600V設備を思わす2連結仕様であるが、引き留めクランプカバーはなし。
それから変圧器
蓋が台形形状をしているこの型は旧式だ。
なお、高圧カットアウトの製造年は1992年となっており、やはり1990年代までは、人が住んでいたように思われた。
この先では、古い民家やアパートなどが軒を連ねていた。
なお、現在では完全に廃村となったようで、先ほどの高圧配電線は、こちらの3300V仕様の昔の高圧ピンがいしを取り付けた箇所で、仮引き留め状態となっていた。
支持物は昭和懐かしの木柱が再び先へと続いていたが、今後はもう稼働することはなかろう。
高圧配電線の先は、完全に寸断されており、今はもう人が住んでいないことが感じとれたのだった。
寂しくトンボがとまっているのも見えた。
唯、電話線は生きてるかもしれん。
60Vぐらいだったか、電話線が生きてりゃ〜黒電話は電話線内を通る微弱な電圧でも稼働するから、突然鳴る可能性はある。
今のコンセントに接続しているようなFAX電話機とは違うのだよ。
昔の黒電話は、電話回線が生きてりゃ停電時でも活躍したものだった。
反対側はこんな感じだ。
高圧用腕金は負荷側向き。
また、腕金は昭和35年前後に数多く普及していた溝付き腕金で、右側には小さく1.5の文字も見えた。
長さもまた昔よく普及していた1500mmのものだ。
昔はこの長さの腕金に高圧ピンがいしを取り付けて、高圧配電線の引き通しをしていた。
なお、各ある高圧ピンがいしについては、右側については、赤釉が消えかかっていた。
次は古民家のそばで、右方向へ分岐をする高圧ピンがいしの木製電柱が見えてきた。
この方もまた分岐に高圧茶台がいしを使用しており、相当前の古さが味わえた。
現在の高圧耐張がいしが普及する前は、そのがいしが普及していたからだ。
唯、こちらももう電線は通っていない。
真ん中の高圧ピンがいしでは、バインド線がぐにゃぐにゃと波立っていた。
なお、ここでは一番右側の高圧ピンがいしのみ、現代普及の6600V仕様となっていた。
昔は、中央に高圧茶台がいしを使う場合は、ラックなんてものはなかったから、大きなVストラップを用いて引き留めだものだったが
そこは低圧で使っている低圧ラックのようなものが使われており、そこだけは近代的だった。
唯これは少し長いな。高圧用もあったのだろうか
順光側はこんな感じ。
次にこの分岐先を見てみる。
分岐先を追跡すると、今度は背後に、障子が破られてたり窓が空けられてたりと、荒れ放題の廃アパートが見えてきた。
こんなに近くで人のいない廃墟を見たのは初めてだ。
夜来たら真っ暗だろうな。
背景の山々は奥秩父の険しさを物語る。
さて、肝心なものはその廃アパートの目の前にあった。
支持物はもちろん木柱で、他には蛍光灯や廃アパートがある通り、ここでは高圧を低圧に落としていたようで
ダブルで単相変圧器が載っかっていたが、その錆びがまた絶妙な不気味感を出していた。
それにしても、変圧器が背中合わせで置いてある設計がなんとも古そうだ!
これは昭和初期〜昭和30年代頃まで普及していた取り付け手法であるからだ。
唯、変圧器は黒塗りのものではないから、昭和30年代後半頃のものかと推測する。
それから、ここのカットアウトは現代の箱型高圧カットアウトではなく、側面に模様のある、もしくは、蓋が黒いことが特徴のプライマリカットアウトとなっていた。
これは、がいし型開閉器(ダルマスイッチ)が廃止となったぐらいの頃に一時期普及していたものだった。
なお、高圧配電線の引き留めについては、やはり茶台がいしが使われていたようだが、ここは高圧であることを示す赤釉がない仕様となっていた。
間違って、低圧用を使ってませんかね?
それから変圧器への高圧引き下げ線については、このエリアでは古いものでは、CVケーブルを使用したものが目立った。
確かにそうすることで、その高圧引き下げ線を支持するがいし代は省けますな。
唯、CVケーブルもそこそこ値段がしそうだが、果たして・・・
ちなみに高圧茶台がいしにも種類があった。
種類は大と小とがあり、大は6600V設備に、小は3300V設備と使い分けがなされていた。
こちらのものは、大きさ的に小だから、3300V設備であったことが見受けられた。
追加で、先ほどの高圧ピンがいしを取り付けた側からは、正面も見ることができた。
背中合わせの変圧器は、やはり古い!
右側は赤ブッシング付きで、左側も普通のブッシングだが、これまた黒塗りの変圧器時代から普及していたものだった。
そして、錆びがやはりなんとも不気味だった。w
プライマリカットアウトは、恐らく1963年(昭和38年)製かと!
それからその取り付け箇所では、腕木も見られた。
さて、大分寄り道をしてしまったが、再び元の日窒珪砂狩倉線に戻る。

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