北海道電力の基本形
|
北海道電力の基本形は、高圧用腕金を中央固定にした東北電力似のものと、東京電力、中部電力、関西電力似の高圧用腕金をやや片寄せで固定した2:1の両方が確認できる。
全ての高圧がいしを3:0に片寄せさせたやり出し装柱もある。
なお、高圧用腕金の固定手法については、アームタイレスバンドを使ったものが主流になりつつあるようで、見上げてもアームタイがないものが多い。
|
|
さて、それではまずは、高圧用腕金を中央に固定した昔っからある従来の基本形を!
|
|
従来の基本形とはこれだ!
高圧用腕金を中央に固定し、高圧配電線を支持する昔ながらの方式
(戦前の東京電燈時代、かつては東京の銀座の中央通りでもこの手のものが基本形として大量に並んでいたようだが、大分前に基本形ではなくなった。
現状では、お隣の東北電力管内で見かけるぐらいだ。)
それから、高圧がいしの種類についてだが、こちらの撮影地は沿岸エリアの北海道の函館市内となっているので、高圧配電線の引き通しには、耐塩ピンがいしを使っている。
この種の耐塩ピンがいしについては、東電管内では、千葉県のみで発見
中部電力管内では、今でも普通に新設あり。
なお、このがいしの登場時期は、昭和39年頃であったと記憶している。
それにしても、同管内の耐塩ピンがいしについては、他にも種類がありそうだ。
ざっと見て4種類ぐらいだろうか
ここからはそれらも少し踏まえて紹介していこう。
|
|
同管内の基本形だが、高圧用腕金をやや片寄させた仕様もある!
これは東電管内、中電管内、関西電力寄りの基本形であるが、北海道電力管内では、アームタイはコスト削減のためか、省略しているように見られる。
アームタイを使わなくするには、アームタイレスバンドを使う。
※北海道電力管内では他にも、高圧配電線の分岐箇所でこれまで使っていた高圧耐張がいしの使用を取りやめるなど、コスト削減が結構進んでいる。
|
|
そういえばこちらは、基本形でありながら、2種類の耐塩ピンがいしが入混じっていた。
一番左側にあるものと、次いでコン柱を挟んだ後にある2つのものとは、種類が違うのが見て取れる。
違いは、天切り付近に溝があるものとないものがあることだ。
高圧がいしや腕金類については、海に相当近く錆やすいので、更新頻度が高いように見える。
|
|
今の箇所を引きで見るとこんな感じ。
|
|
手前では、変圧器2台装柱を発見!
なお、こちらの耐塩ピンがいしについては、全種類揃ってそうだ。
|
|
そして、電柱番号札についてだが、同管内はかなり細かようだ。
|
|
こちらは区画についての印もあるのだろうか
かなり細かい番号が書かれている。
とりあえずこの配電柱の建柱年については、一番下にある通り、1990年で間違いなさそうだ。
次いで、電柱番号札の下については、NTT札だ。
ここではNTTの電話線も北海道電力の配電柱を使わせてもらっているので、共架柱である表記も見られる。
さてこの後は、国道5号の大通りへ出てみる。
|
|
出ていくと、こちらにも基本形がずらり
まず手前にあるこちらは、パンザーマストを上部に継ぎ足し、背を高くしている感じで、おや・・・
|
|
耐塩ピンがいしについては、ここではまた初めて見かけるタイプのものを発見した!
こちらは関西電力管内でも見かける裾広がり仕様のものを使っているようですが、それとはまた別物のようだ!
とりあえずそのがいしは、赤帯がないので新種と見て間違いなさそうだ。
一方その向かいには・・・
|
|
異容量のダブトラ(ダブルでトランスを取り付けた意)を取り付けた基本形も発見!
|
|
ここでは、より近代的な基本形が見られた。
高圧配電線の引き通しは10号中実がいしだった!
これなら別の電力会社でも確認できる。
|
|
柱上変圧器については、ちょっと古そうである。
そういえば、ここでも新たに、他では見慣れない耐塩ピンがいしを発見してしまった!
今度は上下に大きく突き出だひヒダがあるものだ。
それでがいしの表面漏れ距離(電気の流れた充電部と地面の接地部との距離)を稼いでいるようだ。
|
|
さて、先ほどの配電柱の年式だが、こちらは1988年を示していた。
先ほどの上下が大きく突き出た耐塩ピンがいしについては、やや古めな感じか
|
|
一方こちらは、先ほどの変圧器への引き下げ線支持用として見られた、上下に大きく突き出た仕様の耐塩ピンがいしによる基本形である。
|
|
反対側はこんな感じで!
これまた見慣れぬ構成ですな
|
|
こちらは、奥の方にて!
|
|
全ての高圧配電線を片寄せさせたやり出しの基本形が確認された。
一応、北海道電力管内にもやり出しはあるようだ。
耐張がいしを使っていない分岐については、10号中実がいしを使っているが、本線の引き通しで確認できる耐塩ピンがいしについては、裾広がり仕様!
|