足尾銅山の構内用配電線路 その7
さて、引き続き通洞上線の本線に戻り、追跡を再開する。
次は少しスパンが長い渡良瀬橋のところだ。
ここでようやく、本線としては初めての開閉器装柱を発見!
一応こうした幹線用の開閉器は、配電線のこう長、2キロ以下ごとに設置することになっている。
それにしてもこの型の開閉器は、初見だ。
これまた、相当古そうに思える。
表面に大きく、入、切の文字があるのが特徴的だな。
それから両側に避雷器があるのも古いイメージあり。
最近では東電の配電線では、避雷器を施設した開閉器装柱、特に自動式では見かけなくなった。
なお、開閉器のスイッチはオンの模様。
普通こうした開閉器は、開閉器を裏から(引き紐がある側から)見て左側を引くとオフ、右側を引くとオンになる。
開閉器の定格電圧は6600V、定格電流は200Aで、製造年は1978年(昭和53年)となっていた。
製造メーカーは富士通。これまた昔の4号黒電話でも見たロゴマークである。
しかしこれは活線であるならば、そろそろ取り換え時では?
両引き留めで使われる高圧耐張がいしは、東電の配電線ならば引き留めクランプで固定する場合は、電線の被覆を剥がしているようだが
ここではそれは剥がさずに、絶縁電線のままで引き留めクランプに固定しているから、絶縁に関しては大丈夫そうか?
さぁこの後も、今も社宅へ電源を供給し続けているような、網目のように張られている構内線がざっくりとあったので見てゆく。
次は両引き留めながら両サイド分岐かつ、ダブルで変圧器を載せているものだった。
変圧器に関しては、またもやスタッド型ブッシングを使用したものとなっており、古そう。
その捕縛もまた、何か針金のような番線のような硬い線で巻き付けてある。
高圧耐張がいしのカバーについては、ないのが基本のようであるが、ここでは何故か右側の下段の中央の引き留め箇所にはカバーがあった。
鳥がそこにとまって、上段回線と接触した場合のことを考えてたのだろうか
ここでは変圧器の正面写真を!
いずれともここはハンガー装柱に対応できるよう、変圧器の前面には4つのフックあり。
ここでは右側の分岐先を見ている。
設備はやや近代的。
こちらも中央の高圧耐張がいしのみ、引き留めクランプカバーがあった。
こうなると、これは途中で三相交流化してそうなったともいえそうか?
ちなみにこちらに載っている変圧器は、三相変圧器であるから三相200Vの動力用に思えたが、果たして、その用途は・・・?
付近には特にビニールハウスなどで使う電熱器などはなさそうだが?
次に、左側の分岐先を見てみる。
左側はこうなっていた。
こちらの設備もやや真新しく、近代構成。
ここはこの感じであれば、手前側より三相変圧器と単相変圧器が載っている感じだな。
低圧配電線を見れば、一目瞭然。
続いて本線の方を引き続き追跡してゆく。
ここはトンボ腕金と変台があるが、何かハンガー装柱の取り付けをイメージされたかのような構成となっていた。
この次からは再び木製電柱が集中!
社宅のような。小さな集落のような・・・
手前の方では、単相交流2線式高圧配電線を分岐
1個ずつの高圧耐張がいしで分岐をしていたが、その方はカバーはやはりない感じ。
分岐先はこんな感じ。
変圧器はどれも古い感じ。
本線に戻る。
次は小容量のダブル変圧器を載せながら左側分岐
変圧器の製造メーカーは先ほどの開閉器に次ぎ、こちらも富士通製品となっていた。
なお、こちらの変圧器の容量は10kVAで、背後の結線からは三相200Vの動力用であるのが確実
分岐先はこんな感じ。
これは電灯用かと思うが、変圧器の型はまた相当古い。
これはかつての黒塗りの変圧器が普及していた頃の型である。
1次側の結線は、変圧器の目の前で1本が2本に枝分かれするものである。
高圧カットアウトは、円筒型と箱型の2種類あり。
再び本線に戻る。
支持物は木柱であったが、この辺では、高圧用腕金や高圧ピンがいし類は、一度取り換えたように見られた。
変圧器はいかにも構内用という感じ。
高圧カットアウトは変わって、こちらは箱型
高圧カットアウトは箱型と言えども、こちらは型が古そうだった。
高松式で「高」の文字の刻印がある。
ちなみに同社では、これよりも一昔古い型である、がいし型開閉器が普及していた1956年(昭和31年)には製造を開始していたようである。
こちらの製造年は、1962年(昭和37年)とあった。
なお、電線路名については、どうやらこのページの冒頭で見てきた、先ほどの渡良瀬川の横断箇所から変わっているようであり、こちらは渡良瀬線6号柱とあった。
この先では再び、分岐をする珍しそうな開閉器装柱もあったが、ここからまた電線路名が変わるのだろうか

前へ     次へ

その他・不思議なものを紹介するページ トップに戻る

ゴロンディーナーの電柱趣味 トップに戻る

※当サイトは各電力会社・その他の企業とは一切関係ございません。

※当サイトの内容、文章、画像等の無断転載・無断使用を禁止します。
最近、当サイトに掲載中の画像が個人ブログやYahoo知恵袋等へ無断転載される事案が多発しています!!
無断転載は完全な著作権侵害となりますから、必要な方は必ず当サイトメールフォームよりご連絡下さるようお願い致します!
(当サイト内の内容をスマホやPCでスクリーンショットをして、それを公衆掲示板やツイッター等のSNSに投稿する行為も同様です!!固くお断り致します。)


inserted by FC2 system