足尾銅山の構内用配電線路 その11
振り出しに戻り、今度はこちらを!
本山動力所?or本山変電所を起点とする付近では、他にも小さな送電線が構内に張られていたようである。
ここではそれぞれ懸垂がいしを取り付けた鉄筋コンクリート柱による支持物が2基ある。
うち1基は、2回線を併架しているため、3本の鉄筋コンクリート柱を建柱したようだ。
ちなみに今はもう使っていないようである。
緑青で緑に変色した銅線が途中で断線しているのが見えたのだった。
また、その目の前の空いたスペースには、66kVから33kVぐらいの電圧へ降圧させる変圧器などがあったことだろう。
(※当初この電線路は、アップダウンの激しいコースを通るから、強度不足という意味合いで送電線のパーツを使用した配電線かと思っていたのだが
電線路の途中には特に変圧器を施設したようなものがないから、送電線かと思われる。)
なお、アングルに取り付けられている懸垂がいしは、日本ガイシ製のようだが、製造年までは見えず。
多分こちらも1962年頃のものであろう。
合計3回線なる送電線は、その後どこへ向かっているのかの追跡を試みようとしたが
山の上が立入禁止となっていため、地上から見るのみとなった。
小高い山の上では、鉄柱と見られる支持物で、それぞれ各1回線ずつの送電線を支持しているのが見えた。
右側の2回線については
それぞれ右へ振っているのが見えたが
左側の1回線だけは、この先で左へ角度を振っていた。
その先では大きくUターンか?
なお、この続きに関しては、銅親水公園の少し南側の辺りから望めた。
とりあえず、先ほどの小高い山で見えた左側の1回線の送電線に関しては
鉄柱で引き上げられた後は、右側の鉄筋コンクリート柱によって支えられたH柱へ向かっているようであるが
その先の行き先は航空写真でもよく見えず、不明!
続いて、先ほどの小高い山で見られた、右側の2回線側はこんな感じ。
こちらの方はその後、各1回線ずつが
1つの鉄柱にまとめられ、山の下の方へと引き下げられているようである。
足尾製錬所跡を正面から見て、一番目立つように建っている鉄柱がそれだ!
一応倒れぬようにするためか、無数の支線が両サイドに張ってあるのが見て取れた。
ちなみに私がここに初めて来たのは、2004年の修学旅行の時である。
観光バスが丁度ここで止まって、バスガイドが製錬所の説明をしていたのを覚えている。
もうその頃から、製錬所よりもそっちの送電線を支えている鉄柱に印象があったなぁ。(笑)
なお、その鉄柱上では!
今となってはかなり貴重な無ヒダ懸垂がいしを思われるものも発見した!
ちなみにそれと同型のものも、既にコレクションとして所有。
持っているのは日本ガイシさんと私ぐらいであろう。^^
クレビスキャップの形状からして、松風工業製の無ヒダ懸垂がいしがあるものと推測した。
がいしの表面に見られる赤い汚れは、防錆塗装を施した時のものか、鉄柱の部材の塗装の剥げによるものであろう。
ちなみに懸垂がいしの個数については、わずか3個しかないから、送電電圧は33kVぐらいかと思われた。
なお、山の下へと下降する送電線は、現状は落とされているようである。
現状は3本を1本にまとめて、コンクリートブロックなどを使用して地べたに固定されているようである。
ここからも既に使われてないのは見て取れる。
製錬所が現役だった頃は、この先のコンクリートで囲まれた箇所には、変電設備があったのだろう。
3回線の追跡は、これでにて終了!
次はまた別の3回線を見てゆく。
変電所の付近では、後ほかに3系統、複数回線を引き出した構内線がある。
では次は、その3系統ある内の右側の3回線を支持した1系統を見てゆくか
こちらも方も既に使われているとすれば、最上段の回線のみである。
他の下段の2回線については、立ち上がりのケーブルヘッドは撤去されている。
避雷器もまた近代では見かけぬ旧型仕様!
ちなみに高圧配電線の立ち上げ直後は、かなりの急こう配となっているため、高圧茶台がいしではなく溝付きの高圧耐張がいしが使われているのが見えた。
溝付きの高圧耐張がいしは、本来ならば塩害地域で使われるものかと思われるが、ここは長期無保守を目的としてそれを採用したように見られた。
それにしてもたったの1つのみの高圧耐張がいしで、急こう配のある電線路を引き留めるとは、それまたかなりの強者である。
なお、その取り付け方については、ちゃんと水抜きができるよう逆付けとなっている。
一方その後は、急こう配の中間地点付近で、耐塩高圧ピンがいしを使用した引き通しが確認できた。
中国電力ならば、こういう場合は1つの高圧がいしで2本以上の電線を支持可能とした複導体支持がいしを使用すると思うが、地域ごとにやはり考えは違うようだな。
いやでも、それもまたこうした急こう配では不向きか・・・
反対側はこんな感じ。
こちらは1度設備更新をしたようで真新しいが
(正直なところ、下段の2回線は使われていないから電線は撤去してもいいとも思える。)
その後の設備は、再び古くなる。
次にあるのがこちらだった。
この方は小高い山の上にあるため、H柱となっていたが、大半の設備は古そうである。
しかし高圧耐張がいしだけについては、こちらも設備更新されている。
なお、ここでは最下段の1回線は仮引き留めされており、上から2段目の高圧配電線は、別方向へ振り分けている。
その先については、山の上が見えないため、どうなっているのかはわからず。
しかし振り分けられた各1回線については、↑と↓写真のいずれかの支持物へ向けて1回線を分岐しているようなことはうかがえる。
特にこちらの方は古いようで、木柱が3本建っていた。
これは先ほどの2回線の送電線の同時併架を可能とした、一番目立ちそうな鉄柱の左隣にある。
この感じであれば、ここはかつて左右別々方向へ高圧配電線を分岐しているかのようにも見えるが、どうだろうか
ちなみにここでは、全てのアームにアングルを使用しており、1つは柱の下の方へ向かって、引き下げられているのが見えた。
変圧器でもあるのだろうか?
さて、これら2基の支持物へ分岐した2回線の配電線は、小高い山の裏手を通りながら、これより北側へかけて続いているようである。
しかし現状、2回線中下段の1回線については、廃止されているのは既に起点のもので確認済みだ。
遠目でわずかながらに見えたが、ここでは片側1回線はなくなっており、最近設備更新されたような真新しい1回線だけが小高い山の裏手付近を通りながら、北へ向かっているのが見えた。
※2回線中片側の1回線については、恐らく3本建てられた使っていない木柱のところで引き留めとなっているのだろう。
次のページでは、引き続きその1系統を見える範囲で見てみる。

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