足尾銅山の構内用配電線路 その3
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次に通洞変電所裏手より引き出されている、また別系統の多回線を見てゆく。
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こちらの方は、高圧耐張がいしでは引き留められてはおらず、昔の3300V用の高圧ピンがいしを使用して、多回線を引き留めているのが見えた。
確かに遠く離れた北海道電力では、そのような引き留めを新種のものとして大多数見たことがあったが、こちらは古い設備である。
また、東電では見慣れないため、どこか違和感も感じた。
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続いてこれが
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引き出された直後にある2本目であるが
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電線の本数が多いため、こちらも鉄筋コンクリート柱を2本建てたH柱
いや、片方は柱はなく、どうやらここでは珍しく、建物とアングルを固定しているようである。。
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続いてこちらが2本目
ここからは鉄筋コンクリート柱を2本建柱したH柱が続く。
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高圧配電線の回線数については、右下にある単相交流2線式高圧配電線を含めると、合計5回線支持できる構成に見えたが!
その方と手前側の高圧ピンがいしには電線が載っていないことから、現状は3回線のようである。
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はっきりとは見えないが、ここでは3300V用の高圧ピンがいしの製造年も見られた。
それは確認してみるとそこまで古くはなく、1960年代の製造品であるのが見て取れた。
ここでは錆びついた溝付きの腕金もその当時物であろう。
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続いてこの先では
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3回線中、下段回線より1回線が分岐され
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このすぐ先にあるレンガの構造物へと引き込まれる。
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そこでは電柱は建てずに、建物からアングルを伸ばし、高圧茶台がいし(高圧引き留めがいし)を使用して、引き留めているのが見えた。
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今では茶台がいしによる高圧配電線の引き留めも、そう簡単には見かけまい。
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ここでは改めて、3300V用の高圧ピンがいしの製造年を再確認!
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1961年(昭和36年)とはっきりと見ることができたのであった。
冒頭で見かけた、選鉱線1号柱の鉄筋コンクリートの製造年と一緒であった。
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なお、高圧ピンがいしでジャンパー線が支えられた後は、今では見かけないツバ付きのがい管を使用して引き込む。
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レンガの構造物については、撮影当時には既に崩壊が進んでおり、危うい状態であった。
(※2023年版のストリートビューで、取り壊し済みであるのを確認済み。)
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それからこの構造物の裏手では、もう何系統か構内線があったのだろうか
別の構内線の引き出し口が見つかった。
唯こちらの方は、肝心な電線は取り外されており、今は引き出し線を支えていたであろう高圧がいし類が残るのみ。
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それがまた茶色の初期規格品と思わしき高圧ピンがいしやがい管があり、見応えがあった。
なお、がい管については、ここでは茶色の他に白もあった。
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白はこちら。
年代的にはこちらの方が後期品かと思われる。
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なお、レンガの構造物の崩壊は、表からでもよく見えたのだった。
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恐らくこれは、大雪の影響で崩壊したのだろう。
レンガは丈夫だろうが、屋根はレンガでないため、押しつぶされたしまったようだ。
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さて、次は
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鉄筋コンクリート柱は使わず
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何か建物の上部にアングルのようなものでアームを組んで、3回線の構内線が張られていた。
錆びは強めで、ここでは3回線中、1回線が途中でジャンパー線を切った状態で仮引き留められているのが見えた。
ここでは他に、電線を支持していない高圧ピンがいしや高圧茶台がいしなどが確認できた。
なお、プレートについては、電柱でない箇所についてもちゃんとあるのが見て取れる。
それはといえば、写真左下辺りにある縦長のものである。
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引き留められている方は、ここで高圧配電線を振り分けて建物へ引き込ませていたように思えた。
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引き続き、建物を超えた箇所にももう1基、アングルのようなものを取り付けて、2回線を張ったものが見られた。
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なお、ここでは変圧器もあって低圧引き込み線も引き出していたのだろうか
建物を超えた上部付近では、低圧用と思わしき屋外終端箱も確認できた。
これを見たのは、東京都台東区以来である。
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低圧3溝がいしは腕木から外れており、老朽化していた。
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こちらの建物も大分崩壊が進んでいたように見られた。
(※こちらも2023年版のストリートビューを見たところ、取り壊し済みであるのを確認済みだ。)
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今追跡してきたこちらは
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選鉱線とは別路線になるかと思うが
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ここで5号柱となるようだ。
なお、この次からはしばらく
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一度設備更新を行ったような真新しい設備が続く。
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こちらはその中で、付近に木があるせいか、2回線とも10号中実がいし2連による引き通しで、上下でその配置は揃えていないものとなっていた。
上部については、全ての電線を片側へ寄せたやり出しとなっているが、下段については、中央寄りの配置となっていた。
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続いてその次は、やや左側へカーブしているため、やり出しによる両引き留め装柱で、支持物には支柱がかけられていた。
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その次も引き続き、支持物ごと設備更新された真新しいものが見えてきた。
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この方は、赤帯なしの近代普及の耐塩高圧ピンがいしを使用した引き通しで、背後には弓支線もあった。
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さらにその次では、2回線中、上段回線を仮引き留めさせたものが見えてきた。
この感じだと現状は、上段回線は使用していないように見られる。
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いや、ここはもう下段回線も使用していない感じだろうか?
ちなみにこちらの腕金の構成は、少し古い作りをしており、上段の腕金は下段の腕金とを何かアームタイのようなもの使用して固定
下段の腕金については、両サイドにアームタイを取り付けた構成としていた。
続く。
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