電柱上の年代物パーツを紹介!(9ページ目)
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9ページ目では、Fアームの中では初代の分類に入る「初代のFアーム」を中心に掲載している。
このタイプもまた昭和35年前後(高度経済成長期)のものが多く、東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県、山梨県の至るところで発見することができた。
当時は、都心のオフィス街等、ビルから配電線類を離隔させたい箇所を中心に沢山あったようだ。
なお、初代のFアームの特徴は、各アーム(腕金)を現場で継ぎ合わせて組み立てているのが特徴である。
その形状が正しく、2世代目のFアームに相当する形をしている。
大きさについてだが、東京都内では特に幅広いものが数多く普及していたように見られた。
神奈川については独自規格品があり、腕金の部材数を減らした簡易型のFアームを数多く見かけている。
ここではそれらを含めて紹介しよう!
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↑東京都心のオフィスビル街に多かった幅の広い初代のFアームの例
こちらについては、東京都台東区東上野のコリアタウンに大量に残っていたものを撮影したものとなっているが、2009年の終わり頃には、老朽化に伴い、既に新手の離隔腕金に更新されていた。
神奈川県に多い、腕金の本数を減らした簡易型の初代のFアームの例
こちらは神奈川県南足柄市で撮影
木製電柱でも確認できたことから、こちらも相当前から普及していたのがうかがえた。
なお、腕金については、溝付きの古いものを使用しており、その取り付けについては、溝のない方を表にして電柱に取り付ける。
ちなみにだが、神奈川では特にこの種のものが多く、逆に東京都で見かけた幅の広い仕様については見た記憶がない。
また、腕金を2本ずつの取り付けとすれば、正面分岐もまた簡易に!
こちらの年式は、柱上にある耐塩ピンがいしの製造年が1973年12月と示していたから、その年代のものかと思われた。
こちらは神奈川県の藤沢市で撮影
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ちなみにこの場合の変圧器の設置については!
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初代のFアームの背後になるようにして、ハンガー装柱によって、変圧器を吊り下げ固定しているものもあったようだ。
実物は既に確認できなかったため、その状況を模型で再現した。
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模型は幅広の初代のFアームの例による。
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2代目のFアーム
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Fアームの種類については、既に当サイトの種類の項目で述べているが、ここではおさらいとしてFアームの種類を説明してみよう。
ここでは初代のFアームに次ぎ、2代目のFアームの種類についてを述べる。
2代目の種類については、大きく分けると2種類あり、高圧のみ支持できるものと、高圧と低圧の両方を支持できるものとがある。
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高圧のみ支持可能としたFアーム
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高圧と低圧の両方の支持を可能としたFアーム
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腕金の部材をよく見てみると、「Fアーム」との印字も見られる。
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<架空地線支持用の三角形のアームの取り付け金具がないタイプ>
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架空地線支持用の腕金を取り付けできるよう、Fアームの最上部には三角形の取り付け金具があるが
塩害地域などでは元々架空地線の施設をしなかった箇所もあった影響か、その取り付け金具を省略しているものもある。
上記写真のFアームは、高圧用腕金の繋ぎ目部分の三角形の取り付け金具を省略している。
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2代目のFアームについては、形を変えて、高圧配電線の配列方法も変えることができる。
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こちらはやや長めのFアーム
Fアームは本来、水平配列の高圧配電線を支持するのが基本であるが、中には縦型(垂直)配列や三角配列となったものを確認している。
↑Fアームは、通常使われる高圧支持部の水平の腕金を取り外すことで、形を変化させることもできる。
ここでは縦型配列となっている。
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そして3代目!
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ここでは3代目のFアームも見て行く。
名称としては、これはFアームとは言えないが、最近ではこれがやたら多く普及しているため、Fアームの3代目に相当するものかと思われる。
名称については離隔腕金というもので、2代目のFアーム同様、腕金には「リカク」の文字も確認できる。
なお、この種類については、まず2003年頃には既に離隔腕金仕様の縦幅の狭いD型アームと水平の高圧用腕金とが合体されたものが初期仕様(離隔腕金の1代目)として登場している。
それに次ぐかのように、この離隔腕金にもまた2代目が存在し、それは元からDアームと水平腕金とが合体された仕様となっている。
次いで横幅の長さは2600mmとなっており、通常の1800mmの高圧用腕金よりも1メーター近く長くなっている。
(※名称について追記:実際にこの種類のアームを販売されている企業様の資料を頂き、名称を確認してみたのだが、正式には「高圧離隔装柱用腕金」とあった。
名前の通り、やはりこれは、都心のオフィス街や山岳部等、高圧配電線を離隔させる箇所で採用することが多いようだ。)
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Fアームの他には!
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最近ではFアームの他に、低圧配電線に揃えて高圧配電線も縦型配列にしてしまうものが普通に増えている。
これは特に3階建ての住宅などが付近にあって、その敷地内に電線を占有したくない時、もしくは山道で生い茂る木々から配電線を避ける場合などで使用されている。
架空地線支持の腕金については、Dアームに直接取り付けることが可能なものもある。(上記写真右側)
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